12/26-31の日記
※コスキン審査会落選の(家庭内)慰労などもかねて、未訪の欧州への第一歩として事前購入激安航空券を駆使して英国に行ってきました。各種個人ブログなどで情報収集しましたが、当ブログのこの記事が英国に短期間で個人旅行する人に何らかの参考になれば幸いと思い、報告いたします。もちろんフォルクヲタテイストが若干混入しているのは個人の性質上やむを得ないところかと思われますがご笑覧ください。写真などは後ほど掲載いたします。
●12/26(金)
前日仕事から帰ってきたのが23:30過ぎ、4:30就寝で7:00起床。8:00過ぎに荷造り仕上げと最低限の片付けをして出発、スカイライナーで船橋から成田空港へ。成田空港には9:00すぎに到着。
BA(英国航空、以下この名称で)では前日にオンラインチェックインをしていたためカウンターに並ばずにすみ、両替(これは前が込んでいて手間取る)・保険加入をすませ、10:00前には出発エリアへ。
出発エリア内のレストルームでツイン(前日にメールで予約)、1時間1600円で30分ほど着替え&休憩、シャワー。睡眠不足で変な汗をかいていたので助かる。
楽な服装になって搭乗口へ行き搭乗。後ろの2人席を押さえていたので気遣いがなく楽。
BAはクルーの数少なめだが、思ったよりははるかにましなサービス。靴下と歯ブラシ、アイマスクも支給された。
食事は最初のビーフ煮込みとマッシュはエコノミー機内食としては突出した旨さ(チキンやきそばは生臭く×)、トマトとチーズのサンドも冷たいがなかなか、朝のショートパスタはまあそれなり、とトータルではかなりよい部類に属する。
一定数のCDを聞けるのは収穫、だが流石にフォルクローレはなく、フランステイスト入ったパンクタンゴと思われるDaniel Melingo ダニエル・メリンゴ『Maldito Tango』(声はトム・ウェイツ)を聞きながら休む。席狭いが以前NYに行ったときよりは体力の損耗少なし。
現地時間14:30過ぎにヒースロー到着、すでに薄暗い空と上空から見た家の行列に目を奪われる。
手荷物だけだがトイレで着替えたり入国審査をへて、15:40ぐらいに到着ロビーへ。DOT2DOT(乗り合いタクシー)のカウンターで事前に行ったネットでの予約票を見せて20分ほど待ち、16:00過ぎに出発。
市内繁華街(ピカデリーやトラファルガー)を横断するので思い切り渋滞につかまり、宿到着は17:30。繁華街では和食屋が目に付く。パブ「シャーロック・ホームズ」の周りに観光客が群れて写真を撮っていた。
ホテルは、ヒルトン・ロンドン・タワーブリッジ・ホテルHilton London Tower Bridge (5 More London Place Tooley Street London SE1 2BY United Kingdom eメール: res.towerbridge@hilton.com)。ここも事前キャンセル不可で格安で予約。
ロビーは薄暗くベルボーイもいないシンプルな接客だが、逆に面倒くさくなくて楽。設備は新鋭のヒルトンだけあってスタイリッシュかつ合理的で文句なし、というかこれ以上のランクのホテルでは落ち着かないと思われる。通常旅行より少しランクが上の感じ。
立地はかつての庶民的地域を再開発しておしゃれにしたエリアで、強引にいうとお台場感あり。
この日はBOXING DAYとかで街に人出もなく、店も開いていない。休憩後食事に出るがあてにしていたパブやレストランなど壊滅状況で、スポーツ中継しているパブかペルー料理店かの選択となり、ペルー料理店に決める。
『Tito's London Bridge』(4-6 London Bridge Street London SE1 9SG Tel/Fax: 020 7407 7787)は、清潔かつ意外に大規模なペルー料理店。セビッチェ、Yuca Rellena(ユカ芋の丸揚げ)、アロス・コン・マリスコス、エスカベチェ・ペスカードはYOSHIOが食べ残すほど大量に出る。これとミネラルウォーター1.5lで2人分40ポンド程度(1ポンドだいたい130~140円でカウントしてください)なのでおそらくロンドンの外食としてはリーズナブルである上に、バルスを中心としたペルー海岸地方曲がびしびしかかり、締めが店員も口ずさむ『Mi Peru』という展開にリラックスする。味も素朴系だがほこりっぽくなく、東京でもたまには行きたくなるような水準。客筋は観光客のほかには、この日でも働いている人(アフリカ系多し)がぱらぱら定食を食べにきている雰囲気。
フォルクローレ関係者がロンドンに行くことになったときには強くオススメ。
ホテル帰還前にコンビニとデリの中間みたいな店でオレンジジュース(日本より美味)、『London Time Out』を購入。
●12/27(土)
朝8:00過ぎにバイキング、この日はアジア系よりも白人系が客の主流(以後は日本人も結構いた)。ヒルトンのバイキングは、コーヒー・オレンジジュース、食物ではベーコンと焼きトマト・野菜・果物(特に柑橘系)・果物の紅茶煮込み(キリンの某飲料風の味)が突出して美味で、以後英国滞在中は朝食をメインとして1時間かけて食べる習性が確立される。ただ気をつけないと「風邪の子どもに飲ませるシロップ味のヨーグルト」などもあるので注意が必要。
朝食後ホテルの前を通っているRV1系統のバスに日本で購入したオイスターカード(SUICAのようなもの)で乗り込み、ロンドンアイ(大観覧車)へ。チケット購入に10分程度並ぶが、搭乗は待ちなし。30分程度ロンドンの景色を満喫する。
到着後ウォータールー橋を渡り(途中でガイドブック頻出の「花押し付けババア」に会うが目もくれず通過)、ウェストミンスター寺院へ。ここは寒空の中20分程度並ぶ。チケットカウンターでつりとチケットを投げてよこす係員にたいして、投げそこなった札を指して「それ、欲しいんだけど」という吉本ばりのナイスつっこみをしている観光客が前にいた。
ウエストミンスターは拝観料12ポンドで高すぎと思ったが、無料で音声ガイドを貸してくれる(入口で迷っていたら係員が案内。日本語の機器を持って待ち構えていた)ので満足度高い。1時間半は絶対にかかる。
終了後寒いので近くのMethodist Central Hall Westminsterなる教会地下の学生食堂風の場所で茶をしばいて休憩する。1.4ポンド。安い茶でもそれなりに飲める。
本来はここからダウニング街10番街やバッキンガム宮殿に行くのがルートであろうが、寒さと体力不足のためWestminsterの地下鉄駅へ行くが頼みのJubilee Lineが運休(28日まで運休していた)のため、はるかに人通りが多くなったウォータールー橋をまた渡り、RV1バスでロンドンブリッジまで戻り、バラ・マーケットへ突入する。
すでに多くの店が閉まっていたが、行列ができていたNorthfields Farmなる店でコックニーなまりの店員が焼くビーフハンバーガー(パンと肉のみ)4ポンド、喉につまるが美味。周囲ではMulled Wineを飲んでいる人多し。
さらにFISH!という店(有名な海鮮料理店)のテイクアウト(現場では TO TAKE AWAYという)でフィッシュ&チップス、COD(鱈系)で8ポンド弱。バイトっぽいレジ担当を怒鳴る職人風の店員が揚げたものをホテル(徒歩6~7分)へ持って帰って食う。塩だけの味付けだが異常に旨く、一人分とは思えない分量。そういえば店の脇で日本人女性が一人で食べていたが苦しそうであった。
2時間ほど仮眠した後、またまたRV1に乗り終点のコベント・ガーデンまで。そこからHer Majesty's Theatreまで繁華街を眺めながら歩く。
いったん入ろうとするが(チケットは数ヶ月前に日本からTicketmasterで購入済み)18:40段階でまだ入れなさそうだったので近くのカフェに入ろうとするも満員。また戻って18:50ぐらいに強引に入る。
劇場はあまり大きくなく席も狭く古さが偲ばれ、おしゃれな格好をした人も含めてバースペースなどイモ洗い状態だがさすがにどこか優雅な感じもする。
『オペラ座の怪人』であるが、本場の雰囲気などということはさておくとしても、
・シャンデリアの活動範囲(前半ラストの場面でかなり劇的なスピードで落ちてくるので出演者がマジ避けするのは極めて分かりやすい構造。さらに普段舞台でなく劇場の中央に下がっているので観客との一体感を醸成)
・クリスティーンの性格(すきあらばマスク剥ぎに勤しむ。さらに怪人への恋愛感情なしに見える。怪人の顔を見てさすがに目を一時そむけるが最後は状況打開のためにキスまでしてみせるという能動性)
・ダンス教官の存在(想像通り、日本版よりもはるかにウエイトの高い、怪人とのつなぎもこなす役柄。ただし碌な出番もないのに同種のテイストを表現していた宝塚宙組の貴柳みどりは超高度な役作りをしていたと再確認)
・カルロッタの悪役性(カルロッタが本気を出して場を仕切るところではイタリア語になる点などを見ても、カルロッタを単純な悪役と見るのではなく、イタリアオペラと欧州各国のオペラの闘争とも見られそう)
という四季版・宝塚版を観ていて疑問に思った点がだいたい解消され、満足度高い観劇となった。しかも途中まで、ロンドンで大流行中と目されるお化け屋敷テイストも入った(生火炎あり)「くっきりはっきり」の演出なのに、最後は怪人がマスクを置いて消えるという余情のあるものであった。
終了後トラファルガー広場を少し観光してからチャリング・クロス駅(地下道の日本人女性バスカーが酔っ払いにからまれて駅員が仲裁に入っていた)からウォータールーまでノーザンライン線で移動、その後10分以上バスを待ってまたRV1でロンドンブリッジまで移動、前日と同じ店で水とジュースを買ってホテルに戻る。
ホテルのロビーは、朝は異常にドレッシーな芸能人的女性が座っていたことがある程度で普通のシティーホテルだが、夜はバーと化していてほとんど寝転んだ姿勢の、ちょっとは綺麗な服を着た男女がいちゃついている風景が散見される。一応おしゃれスポットらしい。
●12/28(日)
時差の関係で5:00ごろ目が覚める。7:00からの朝食に一番乗りしまたバイキングを1時間かけて食べる。
朝食後またRV1でウォータールー駅へ行き、Surbitonへの往復切符を買う。電車で30分弱のところで往復6ポンド。こんな近距離でも片道だと4ポンドとなる。
SurbitonからタクシーでLong Ditton方面へ。6ポンド。
帰りは30分程度歩く。冷えるがこの日は冬のロンドンには珍しく晴れ、別荘地のような豪壮かつ自然の豊富な家並みを眺めながら歩く。
Surbitonは乗換駅となっているためか駅ホームにコーヒースタンドに毛の生えたようなものがある。そこでストレートコーヒーと頼んだつもりがコーヒーが3つというアイゼナッハ提督の出来損ないのような目にあう。抗議しようと思ったところ列車が来たのでやむを得ず乗り込んで2人でコーヒー3杯+オレンジジュース1杯飲む(全部で6.5ポンドぐらい)。オレンジジュースはともかくコーヒーはまずかった。
ウォータールー到着後駅構内のTIE RACKでスコットランド産の毛糸手袋を買う。8ポンド弱。軍手のようなデザインだが問題なし。
ウォータールーからキングスクロスまで地下鉄ノーザンラインで移動、駅の窓口で当方の依頼を理解しようとしないインド系の担当に予約票をつきつけたところ無言でチケットを渡してくる。とりあえずチケットを入手できたのでよしとする。
キングスクロス駅から大英図書館まで歩き、マグナ・カルタ写本などを見学する。大英図書館は新しくトイレなども清潔。ここからさらに大英博物館まで歩くが、すでに日が翳っている道はコインランドリーや安ホテル、安食堂などが群れておりあまり雰囲気がよくない。そういえば大英図書館周辺のパブもあまり雰囲気がよくなく入ってすぐに出た。
大英博物館周辺は各国観光客でごった返す。空腹だったので入館前にMuseum Tavern(49 Great Russell Street, Bloomsbury, London, WC1B 3BA Tel:020 7242 8987)で本日のパイ(ビーフパイ)とミネラルウォーターを。コップがちゃんと洗浄されておらず大腸菌の臭いがするが、食事は単調なもののまあ許容範囲。コナン・ドイルやカール・マルクスも来たことがあるそうで、手動エレベーターによる食事メニュー輸送など歴史的興味はある。また混雑した店内だが従業員は親切といってよい水準の接客。
大英博物館はいくら時間があっても足りないのでおおまかに1時間半程度で見る。ミイラやロゼッタ・ストーンを筆頭とするエジプトの充実ぶりもすごいが、平面的絵柄なのに浮き彫りと楔形文字のコーディネートもあいまって立体感が強いアッシリアの壁画群に圧倒される。
17:00過ぎに大英博物館を出て、前でタクシーを拾ってAngel方面へ。King's Head Theatreまで10ポンド程度。15分程度で到着。
King's Head Theatreは1階がパブになっており、パブの右奥が劇場、パブの左側から入る2階がチケット販売も行う事務所という構造。これを理解するまで10分程度出演者も含めて大混雑のパブをうろうろする。
チケットを購入(@15ポンド)していったん劇場を出てスタバに入るが、チャイラテは茶が薄く、甘いお湯に生姜味と牛乳を突っ込んだような代物。飲めない。
18:00ごろ劇場に戻るが、まだ入れず。15:30からの芝居が終わった後、すぐに場を展開して18:30の芝居に備えるため滅茶苦茶らしい。(前にいた客が porridgeと言っていた)
18:15にやっと入る。長いすに座る方式で150人程度のキャパ、満席。意外に高齢者が多い。開始前に板付きで待っている出演者や歌唱練習をする出演者がいるが、これもすべて演出のうちであろう。
演目はディケンズのクリスマス・キャロル、生歌・生演奏・ラインダンスもどきやスクエアダンスもある派手な舞台。お化け屋敷風の仕掛けもあった。
話としては、原作と異なりディケンズ自身が狂言回しとして話を進め、スクルージの末路ではなく、貸した相手の子どもが死んで、関係者がろうそくの灯を伝えながら「きよしこの夜」を斉唱するくだりで改心する設定になっていた。若きスクルージ(比較的うまかった)を好きであるにも関わらず別れを告げる娘の表情などが理解しやすい。
力量はまちまちだが、年配者のスキルは凄い。話の性質からかいわゆるBBCドラマで見かけるような19世紀イギリス的風貌を有する人物しか出演していなかった。金融不況のこの時期にロンドンでこの舞台を見られたのは何らかの意味があるかもしれない。
1時間半程度の芝居が終了後、Masala Zone, Angel(80 Upper Street, Islington London N1 0NU Phone: 020 7359 3399)でTHALIというカレーメインのセットとnimboo pani(インド風レモンジュース)などで2人で30ポンド程度。野菜が補充でき、日本のインド料理店の水準から見ても勝負になるレベルの味であるとともに、接客が日本の水準からみても素晴らしい。マネージャクラスが出てきて「3日前に来た旅行者だが付け合せの豆カレーが旨い」といったところお代わりを出された。
店内には在住者と思しき日本人カップルが2組はいた。自分の隣では日本人男性が日本人女性を口説いていた。確かに日本人好みの味ではある。
店を出てから43系統のバスでロンドンブリッジへ戻る。夜は下手に歩いて地下鉄で帰るよりすぐそばのバス停からバスに乗るほうが楽である。
●12/29(月)
この日は7:30ごろから朝食。3日ほぼ同じメニューだが飽きない。
朝食後ロンドンブリッジからキングスクロスへノーザンラインで移動し、9:20ごろキングスクロス駅到着。10:00発のエジンバラ行き「ザ・フライング・スコッツマン」号に乗る。これが旅の目的の一つであったが、列車自体は他の優等列車と同じ。なおヨークまでの2等往復は200ポンド以上するのに、日帰りの1等片道往復を事前に買うと120ポンドを切るため、1等を張り込む。
テーブル付の4人かけに、老夫婦+犬と向かい合って座る構図。老夫婦の夫はSUNを、妻はクロスワードパズル雑誌を見ている。犬は8歳の黒っぽい中型犬で、牙が出てしまっているが事故にあったとのこと。他人になでられても一切動かず、こちらが手を出すと飼い主の指示を仰いでから寄ってくるなど非常に賢い犬であった。老夫婦がgood boyと頻繁に言うなど(名前はSAM)溺愛していた。犬のおかげで若干会話ができこちらも、また車内全体の雰囲気も和み乗務員の接客もよい。
2時間ほどでヨーク到着。下車時に老夫婦と犬に挨拶して降りる。
ヨークに列車で訪れる観光客がどの程度かは不明だが、ヨークの旧市街は観光客や住民でごった返している。他の観光地同様、ここでもアジア系は中国人が多い。
なぜか閑散としている観光案内所へ行って日本語パンフ購入の後ネットカフェの場所を聞き、川沿いのYORK SCREENに行き1.4ポンドのミルクティー(旨い)を飲みながらBAのオンラインチェックイン。無事後ろの2人席を確保する。
ヨークミンスター(7.5ポンドのはずがディスカウントで5.5ポンド)に入り、275段の塔を上る。狭い塔を上るのはかなりの運動。降りてきてから壮麗なステンドグラスと重低音が力強いパイプオルガンを満喫する。
その後有名なティールームBetty'sへ行き、20分ほど並んでからシャンパン付きアフタヌーンティーセット(2人分で50ポンド)を1時間以上かけて楽しむ。ファミレス的気軽さもあるが、サービスと食材は超一級品。特にジャムと紅茶のくせのない旨さはハンパではない。販売コーナーでジャムと紅茶を買うが、ジャムはヒースローで没収される。
シャンパンが回るため、その後の観光はシャンブルスを歩いて回る程度で駅へ向かう。鉄道博物館へ行きそびれる。
16:32発の列車でロンドンへ戻る。帰りは向かい合わせの2人掛け、水も茶(強制ミルクティー)も配るがお代わりはなしで次用のセッティングを無言で始めるなど行きよりも暗めな雰囲気。帰路の車中にも犬がいたが、この犬は大型犬であるがまだ若く、他の乗客と目があるとすっとんできて撫でるように訴えかける感じで主人が苦労していた。自分の隣の若めのカップルは犬が邪魔そうで終点そばで音を立ててキスしていた。
キングスクロス駅で待っていたタクシーを拾ってカムデンタウンのライブハウスBARFLYに行く。運転手は場所やこちらの意図を十分には分からなかったようだがなんとかたどり着く。7ポンド程度。
19時からと「LONDON TIME OUT」に書いてあったが、客もろくすっぽいないパブスペースで聞くと19:30にならないとライブスペースは開かないとのことなので(ライブスペースは2階)、いったん店を出る。
まずTHE STABLES MARKETを見る。入口あたりで水タバコを吸う奴がいるような空間だが、ほとんど閉っている。民俗グッズのそろいはさすがだが、食事スペースは外で寒くてかなわないし不潔そうなので見るだけでパス。周囲を見て回ると、楽器屋に世界の楽器が並んでいるのを発見するがケーナ、チャランゴの類はなし。日本の同様の店では絶対あることを考えると、英国でのフォルクローレ浸透度は低めとの仮説を持つ。
周囲の店で一番きれいそうな店で小腹ふさぎということで、チェーンレストランのNando's (57-58 Chalk Farm Road,Camden,London,NW1 8AN 0872 148 1769)に入るが、これが大当たり。全盛時のKFCを連想させる清潔かつコージーな店内に、まったく生臭くない鳥のグリルとマヨネーズベースで辛味と旨味のあるペリペリソースの組み合わせはかなりの水準。日本進出を待ちたいぐらいである。店員もファストフードにしては親切である。鳥1/4羽とポテトとジュース2杯で8.65ポンド。
19:40ごろBARFLYに戻り料金を払う(バンドごとのフィーで、2バンドを見る設定で8ポンド程度)。パブの店内で座って待っていると、出演者が客を誘っている風景を見る。話したところ日本人の奥さんがいて、子どもと奥さんが現在愛知県にいるということであった。
20:20ごろ上がり、20:30からのライブをまず見る。飲み物などは頼まなくてもかまわない。
最初が、日本人が奥さんであるというPETER PARKER(http://www.myspace.com/peterparkerrocks)氏の演奏。単独エレキギター(機材はマイクスタンドとギターとアンプのみ)でボ・ディドリー風の動きをしながら演奏&歌。嘘つきではないエネルギッシュなエレキギターのストロークは案外悪くないが、後半ブルースっぽくなるほどクリシェにはまった感が強く、前半の若干パンキッシュな歌のほうがまだ聴ける感じ。全般にどうも身内が演奏を聴きにきたりしていてフォルクローレライブっぽいまったり感があったが、客の半分が日本人女子だったのは理由不明。本人は非常にいい人であり、音楽に対する真面目さは伝わってくるのだが…。
※1/13に、ノーザンラインでさらに北に行ったKENTISH TOWN のBULL AND GATEで20:15からライブをやるそうですので、そのとき滞在している方はぜひ観に行ってあげてください。ボ・ディドリーオタクの演奏者としてはかなりひとかどの人物だと思われます。マイスペースのライブ予定は嘘というか妄想が多いですが…。
次が、「TIME OUT」で「THE STREETS がPET SHOP BOYSとEAST 17に出会ったような感じ」と評されていた(この雑誌は、紹介するバンドの特徴を曲がりなりにも紹介しているのがすごい。『ぴあ』並みの情報量でこれをやりきっているのだから)MISSING ANDY(http://www.myspace.com/missingandy)。ここはもうメジャーに片足突っ込んでいるバンド。
キーボードがローテクなのが新鮮とはいえミクスチャーバンドとしてはありがちな要素も強いが、とにかく演奏が上手い! そしてしょっぱなの「SCAMS」や、5曲目にやった新曲(多分ENGLANDがどうしたとかいうやつ)で繰り出す3人コーラスの田舎くさい美しさは、かなりツボに入る。聞けて超得だが、ライブハウスの客は30人程度しかおらず、盛り上がりなし。なぜか不明。MADE IN ENGLANDとかいうアルバム制作中らしいので入手できれば、と思う。アンコールや客への売り込みもなく去っていったが、去り際に拍手したところ礼をするモヒカン姿のギターの様子が田舎のお兄さんのそれであった。
ちなみにこのライブハウスは、奥のない渋谷「屋根裏」のようで、オールスタンディングだが音響は良く耳があまり傷まない。
終了後168系統のバスでウォータールーへ戻り、RV1のバス停で待っていたところ近くのヴェニューのライブか芝居を見たであろう、若干育ちのよさそうな高校生かなにかの男女計10人程度のバカ騒ぎ集団のうちの男子1名が、マスクをしている相方に向かって「フィリピンから来たのか」と絡み始めたためにらみ合いをしたところ「どこから来た」と聞くので「日本から」と笑顔なしで答えたところ「俺も落ち着くから落ち着こう」と言ってくるので無言で睨み返す。間が持たなくなった相手が「マスクをしているが、汚染されているのか」という類のことを言ってきたので「咳をしているだけだ」と返したところ「すみません」と引き下がったので一息ついて来たバスに乗り込んで帰る。マスクをしている人は確かに見かけなかった。バカ集団はロンドンブリッジの一つ手前で急に降り立っていった。おおかたパブにでも向かうのであろう。
ホテルに戻り食事をしようかルームサービスを取ろうか迷うが、面倒くさくなり部屋の茶を飲み寝る。
●12/30(火)
最終日。朝またもバイキング、変わらぬメニューで美味。
チェックアウトの後荷物はあるがRV1で終点のTOWER GATEWAYまで向かいTOWER BRIDGEを渡る。そこで15系統のバスに乗り換え2階に陣取りパディントン駅まで。この系統は市内の名所を眺めることができるため下手な観光バスよりも得。
パディントンからヒースローエクスプレスに乗りターミナル5へ。車中にいたおとなしい女性と高飛車な男性の日本人カップルはターミナル1・2・3で降りていった。
パスポートチェックのみで出国審査は省略され、荷物チェックへ。ジャムがひっかかり鞄中開けられたあげく没収される(現場係員は上司に確認したがダメであった)。ロシア行きの乗客はかなりしつこいボディーチェックを受けていたが、それはなかった。
空港で着替え、お土産の補充などをして飛行機に乗り込む。帰りも満席。機内食のビーフラザニアはパンと食べるとかなり美味、朝食は普通であった。全体にBAの食事はいい部類に属する。ただし帰りは日本人CAが担当となっていて、サービスは冷ためであった。
●12/31(水)
9:00過ぎに到着。着替えをした後たったか通過し、両替(ポンドがさらに下がっていた)・携帯返却をしてから京成特急で帰宅。
荷物を置いてから実家付近まで行きおせちを受領、土産を渡す。
いったん置いてから買い物に出るが東武地下が殺人的混雑、スーパーで済ませる。紅白をみながら食べた和幸の特ロースカツ+特ヒレカツは思いのほか旨い。
紅白の詳細など曖昧なまま寝たら新年となっていた。
□参考にした資料など(寸評付)
*『地球の歩き方 ロンドン 08-09』=☆☆☆。どういっても日本語ガイドブックとしては一番細かい。劇場案内はLONELY PLANETよりも細かく、ライブハウス案内もそこそこ頑張っている。ただしレストラン案内などは×。また同シリーズの英国全体版は、ロンドン版のようにライターの個性が出たものとはなっておらず、ただのガイドブックでしかない。
*『LONELY PLANET LONDON』=☆☆☆。レストラン案内などでは突出して使える案内。ベタではあるが各項目のTOP PICSは見ておいて損はない。AMAZONで買うとそれほど割高ではない。
*『ロンドン 地元みたいに遊ぼう!』(木内麗子)=☆☆☆。見かけ「どうせロンドン万歳の女性の本でしょう」という感じであるが、異常に実効性のある記事が多い。普通の日本人女子が旅行する際には絶対見ておいて損はない。同行者はこれを読んでロンドンへのイメージを喚起して、あまり外れた振る舞いをせずにすんだ模様。
*『旅の指さし会話帳 10 イギリス』=☆☆★。ベタベタなコンセプトではあるものの確かに異常に使える同シリーズ。今回はここに書いてある表現を一から覚える暇はなかったが、「L」を「ォ」と発音するだけで飛躍的に通じるようになったのは恥ずかしながら事実。(関係ありませんが同シリーズのアルゼンチン編もすでに読破済み)
*『A-Z LONDON』(2.95ポンドのやつ、MAP&WALKS)=☆☆★。結局市内ではこの地図を最も使った。いまひとつ縮尺が正確でないのが難だが、とにかく道路から場所を探る方式は日本語地図では対応不能。グレーターロンドンまですべて入ったやつも一応持参した。SURBITON周辺で使った程度。
*OYSTER CARD送付時に同封されていた地下鉄とバス主要路線図=☆☆☆。下手にPC出力するよりもこのほうが絶対に見やすい。ポケットに入れっぱなしであった。
*『2度目からのロンドン・ガイド』(河出書房新社)=☆。情報自体は豊富で読ませるが、ちょっと英国万歳の度合いが高すぎるような気が。
*『ロンドン 旅の雑学ノート』=☆☆。シャーロック・ホームズなどと並んでロンドンへのイメージを固定した本。データは20年以上前なのでさすがに古いが、イギリスとの距離の取り方という点でも古典というべき内容。
*「FIGARO JAPAN 2008年10月号」中の特集=☆。情報の正確性は不明だが、サウスバンクの情報がここまで細かいものはほかになかったので参照した。
□参考にしたサイト
*英国政府観光庁(http://www.visitbritain.jp/)=☆☆。ここを漠然とみても情報量が多すぎるので辞書がわり。あるいはOYSTER CARD購入用に。
*TICKETMASTER(http://www.ticketmaster.co.uk/section?tm_link=tm_homeA_header)=☆☆☆。ミュージカルのチケットが比較的簡単に購入できる。日本への郵送も可。
*LONDON THEATRE GUIDE(www.londontheatre.co.uk)=☆☆。フリンジ情報はこちらのほうが詳しい。カレンダー機能が有効。ただしフリンジの演目は頻繁に代わるのでTIME OUT(http://www.timeout.com/london/)とあわせて情報を確認しよう。
*個人ブログ「愛と憎しみのロンドン」(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/)=☆☆☆。かなりピリカラな記事もあるが、ロンドンの社会情勢なども含めた情報発信ブログとして超一級。ただの質問は禁物だが、コメントを書くと親切なレスポンスがあるなど、ブロガーとして誠実度が高い。
*個人ブログ「LONDON研究日誌」(http://kototora.exblog.jp/)=☆☆。ロンドンなどのレストラン情報としてもっとも信用に足るブログと目される。現在は後継ブログ更新中。ただしコメントを媒介としたコミュニケーションはあまり成立しない方向であるため、記事を読んで役立てるという活用を。
※ロンドン関連のブログはあまたありますが、YOSHIOの趣味に最も合うのは上の2つという意味で紹介しました。あと2ちゃんなども、案外在住者の本音が書いてあったりして参考になりました。
◆やり残したこと=機会があれば
中古CD屋や書店の訪問、美術館系の訪問、鉄道博物館の訪問、オックスフォード訪問、庭園来訪、「嵐が丘」史跡めぐり、パブでビールを飲む、ロンドン近郊のトラムに乗る、ドーバー海峡を見るOR超える、ロックコンサートに参戦、オペラやシェークスピア劇を初めとする舞台芸術をもっと味わう、バーゲンでなんか買うなど
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