9/13の日記+笹久保伸氏+高橋悠治氏コンサート(秩父)感想
●9/13(日)
体調いまひとつ。
昼に「船橋更科」(047-433-3383 )へ。やや清潔感に欠けるが、船橋ではこれ以上を望めないほど真っ当な蕎麦屋。とくに麺の旨さは都内の水準に到達。ツユはかなり古風な塩辛系。天ぷらは田舎風。
秋野菜天もり1500円と値段もそれなりだが、ボリュームという点では文句のつけようなし。更科系蕎麦屋を港町に連れて来たらこうなりました、という一例として理解できる内容で、時々は来たい水準。ただし駅から10分以上歩く。
なお船橋は都内などに比べ道の整備の悪さで鳴らしているが、この一角だけ市役所に近いせいか立派な並木道。うーむ。
食事後京成線経由で池袋へ。池袋到着後改装中のリブロへ。空いていて滞在楽。つい『世界は音楽でできている 中南米・北米・アフリカ編』(北中正和監修、音楽出版社)を購入。全体内容は「知ったかぶりするには格好の本」という思いもするが、尊敬するパフォーマーのひとりであるウーゴ・ディアスについて「ローランド・カークを思わせる」と評した吉本秀純の記事が出色。ちなみにボリビア・フォルクローレに関してはカブールの紹介(ぬるすぎ)以外ほぼないようである。
15;30の特急で秩父へ。秩父に来たのはおそらく大学2年で演奏しに行って以来なのでかなりの年月。想像以上の山な車窓にびっくりする。
到着後会場を確認し、時間が空いているので「ポエトリーカフェ武甲書店」(0494-24-2813)でコーヒー。詩集が揃っていてつい「海外詩文庫」(思潮社)のパブロ・ネルーダとボルヘスを買う。濃い店があったもんである。
その後「珍達そば」という会場向かいの店で珍達そばを食べる。棒ラーメン系の麺にネギと豚肉のあんかけ風炒めが載った醤油ラーメン。塩気が毛穴から出そうに感じるほど異常に濃いので、空腹ならメンマとライスと一緒に食べたいところ。
開場時間になったので秩父市歴史文化伝承館へ。地方でなければ存在しないような整った設備。
18:30からコンサート。前半は笹久保伸氏のギターソロで、通常のコンサートと同様な感じ。この日は「さらばアヤクーチョの町」「アナコンダ」のリズミカルな曲目が会場にジャストフィットした感じでよかった。
後半は高橋悠治氏によるペルーの作曲家によるピアノ曲のソロ演奏。
最初の「Patallaqta Qachway」は明治期の日本唱歌っぽいコード展開に聞こえたが、その後はヨーロッパの20世紀なダーク感と民謡的センスのせめぎあいが短い曲の積み重ねで繰り広げられスリリング。
Francisco Pulgar VidalのSuite Peruana 1(ペルー組曲)でのHarawiは、昔福田剛士氏が出していたケーナ曲集のPajonalと同じ旋律だったな、などの発見もある。
最後のEdgar ValcarcelのFlor de Sancayoという曲が、電子音とピアノのアンサンブルというエッジの効いた展開。高音の電子音とピアノで別世界からの民謡っぽく聴こえるのが、認識の扉を開かれた感じ。このコンサートでもっとも印象の強い時間帯となった。
全般に非常にスリリングかつマニアックなコンサートであり、再々は行われないだろうがこの路線の展開もほしいと思った。またヨーロッパ文化とペルー文化のせめぎあいなどということにも思いを致した。思わず終了後高橋氏のCD(初期バルトーク曲集=演奏にもバルトークタッチの部分があったので)を購入した。
終了後列車待ちをしながらビールとポテトを自販機で購入。帰路飲みながら帰宅。
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