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2010.06.27

6/22-26の日記

●6/22(火)
昼は南国酒家。夜は一蘭、こってりにしたところちょっとしんどい感じ。

●6/23(水)
昼はアユンテラスでえびの炒めなどの定食。
夜は栄養バランスの劣化を感じていたので豚冷しゃぶのサラダ風、イカ刺しなど。

●6/24(木)
昼は福田屋で野菜天セイロ大。やはり渋谷では突出して安定したそば。
夜は中目黒へ。商店街が一見カジュアルだが定食屋のたぐいがなく、えせカジュアルである感じがしてあまり好感を抱かず。
数少ない酒飲み空間でない感じの薬膳カレー屋「香食楽 (kakura カクラ) 」(TEL 03-3710-0299)で黒カレーとポーク、ご飯大で1500円。まずくはないがそんなに「体に効く」感じはせず割高。さらに接客を最小限にして厨房とくっちゃべりながら働く様子や電子レンジで温めているかのような音がだいぶいまひとつ。繰り返すがまずくはない。

中目黒「楽屋」で山下TOPO洋平氏率いるTIERRA CUATROのライブ。
出だしのピアノタッチが荒い、が一部後半からそれがリズムの引っ張りにつながる。誤解を恐れず攻めるピアノと組めているアンデス音楽出身者があまりいないことを考えると、このピアノ奏者(上野山英里氏)とのマッチングがいい感じ。
パーカッション(海沼正利氏)はフォームがキース・ムーンっぽい、パストラルではボンボ主軸など「気持ちよく」よりルーツと攻撃性があって好感。要所で引っ張っていた。
ギターはいけすかない感じ。エレアコの手数を(自作曲以外)惜しんで弾きながらハミングしてライブ感をみせる演奏スタイル、客にホスピタリティーを見せないのが音楽人としての誠実さと誤認している様子などが中央線沿線のバンドマン風を佃煮にした感じ。使えるベース奏者のほうがいいと思った。

山下氏のケーナについては、ホルヘ・クンボ曲の演奏では音色の張った明るさと操作性の配分に自分にとっての感情移入の限界を感じるが、オリジナル曲では向日性の魅力が特に「パストラル」で炸裂。さらに上野山氏の曲「風穴」では、半音まみれながら旋律として機能している音階展開が、力をうまくセーブしつつなおパワフルに暗い様子を出す結果につながっていて、このライブのてっぺんであった。

ご本人がおっしゃっている「ここまで南米フォルクローレのリズムを表現できて、なおかつ高密度の音楽を実現できるバンド」というのは、フォルクローレのリズムの表現という点でだいぶどうだろう、とは思うのだが、渡辺かずき氏と組んだセットよりはリズム活性があって攻めている姿勢に爽快感があるので、(このセットが練れたら出てきてしまうであろう)ジャズ風のノリを極限まで排除してがんがんやってほしいと思う。チャージとのCPの問題はあるが、お勧めします。
あとフォルクローレ成分をホルヘ・クンボで出すのではなく、もっと伝承曲なんかも多めに混ぜて幅を出すのはいかがでしょうか。

※あと(楽屋は基本的にはいい店だと思うのですが)、レストラン的ライブハウスに関して根本的な疑問をひとつ。音楽家サイドからみると3150円のチャージというのは当然要求すべき金額なのでしょうが、ミュージシャンとの接点がない一見もとい一聴の客として考えると3000円+1ドリンク以上、よほど締めていかないと5000円程度はおおむねどこのライブハウスでもかかるというのは、この経済状況において観客でいることにかなりのしんどさがあるように思われます。その割りにレストラン系ライブハウスでは、演奏中静かな時間帯に皿洗いの音が聞こえてくるなどの、あまり音楽を重視しているとは思われない現実もあるわけで。それでもこの手のライブハウスに行くのは、演奏者と知り合いになるなど、「文化的共犯者」になりにいく、というのもありますが、フォルクローレ的空間だと世界が狭すぎて文化行為として必要な批評すらしずらく(おまえらアマチュア演奏者がえらそうに言うな、とかサラリーマン風情にプロがやっている音楽活動の立派さがわかるわけないだろう、と有料の観客が恫喝・侮蔑されることすら容易に起こりうる空間)、店や演奏者への批判もしずらいという現実が、さらに「どうせ意見も許されない末端の一消費者扱いなら、金銭的にも精神的にもコストのかかるわりにメリットのない行為はやめておこう」という市場のシュリンクを招くという悪循環が成立している局面があるように思います。

一定以上取るかっちりした(それこそドアマンがいるような)ライブハウスがあって、そういうところに出るミュージシャンには一定の報酬がある。そうでなくて音楽的なフリーハンドさがあるカジュアルなライブハウスでは、せめてチャージ+2ドリンクで3000円ですむ範囲だと、迷っても「行く」というジャッジをしやすいし飲み会がわりに多くの人士を誘いやすい。そうして「~の演奏は一度は聴いてみよう」という会話が多くの状況で成立する。こういう状況になればもう少し量的拡大を当該音楽業界が図れるように思うのですが、難しいものなんでしょうね。以上可処分所得とのかねあいでこのスタイルのライブハウスではあまり「いい客」になれないし、演奏レベルおよびスタイル、志向のせいで「いい演奏者」にはさらになれないケーナ奏者のたわごとでした。

●6/26(土)
昼はカップ麺と豚冷しゃぶとご飯。
夕方から水道橋で7時間にわたって謀議。

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2010.06.26

『ラテン・ミュージックという「力」』=図書館で借りた本その1

標題の書籍を船橋市立西図書館(書籍廃棄に関する裁判で有名)から借りました。
音楽之友社、2003/4/30。著者は東琢磨(ひがし・たくま)。

気になったところだけ(内容は賛成、反対はさておき)メモして返却します。
簡単に手に入るなら購入しようかな、とは思っています。ただくどいようですが賛成・反対は各論であるものだと思います。議論の材料として、という点で気になった点が下です。

・「また、サルサ・ダンスの教室なども増加しているが、そうした『他の音楽』への入口が、家元制度的な利権構造へと回収される危険性が強くなってきている」、あと身体的アプローチは新しい理解の地平を開くが、訓育のシステムが身体搾取構造になっているのではないか(p39-40)←なおp270の注11にも言及あり
・マリエリートに関して「日本では、この出来事を『犯罪者などをアメリカに送り込むキューバ/カストロの戦略』としておもしろがるような向きもあるのだが…軽々しくそのような『評価』を述べるべきではない」(p117)
・「メンディエッタの死とアンドレの公判を伝える、ニューヨークの街に貼られたポスターをギャスパー・ノエが撮影した写真も残っている」(p200)←これはギャスパー・ノエ(友人の友人だが自分の友人ではない)に反応しました
・「ラメント・ボリンカーノ」の解説。「プエルトリコが生んだラテンアメリカ最大の作曲家ラファエル・エルナンデスの曲で1930年に初録音された」(p221)。←この曲もそうだが、この手のラテン世界名曲をかたっぱしからケーナで演奏して商業化していたライカスのアイドル風のアナーキーな感じは再評価くるのでは?
・「有名なジャズ・ミュージシャンの壮絶な最期」について。圧倒的な音で鳴らすゴスペルを思わせるフレージングからファンク、フリーを幅広いレンジでこなすが、白人コンプレックスに苦しみドラッグにおぼれ、バークレーなどを出たスクエアな黒人ミュージシャンに追い詰められ晩年はヒップホップばかり聞いていた(p253)
・「砂漠のうえで―ペルー自治都市の闘いから」(p241-252)、特にp251のチチャやテクノクンビアへの言及
・「黒いペルー」(p251-270)、引用文献の中には笹久保伸氏のライブで踊り手も務める佐々木直美氏の原稿も
・「ウカマウ集団の軌跡と現在―ホルヘ・サンヒネス監督に聞く」(p272-286)、特に映画『鳥の歌』の内容は表現を行っているウカマウ集団の自己批判が籠められているとのくだり。←この「自己批判」こそ、表現者として立つべきスタンスではとのYOSHIO愚考。
なお同記事中には1993年のボリビア音楽著作権協会の発足についての言及あり、スルマ・ユガール、ルイス・リコ(炭鉱出身とのこと)、プロジェクシオンに言及あり。(p276)←これを木下尊惇氏がラティーナで記事にしているのを読んだ記憶あり。その際スルマに仲間扱いされて喜んだ旨の記述が記憶にある。
・ルイス・ブニュエル映画に関する記述で1946年アルゼンチンのヒット曲「アディオス・パンパ・ミーア」をメキシコのマッチョ歌手ホルヘ・ネグレテが歌う、またラファエル・エルナンデスの「エル・クンバンチェロ」も織り込まれているとの言及あり(p294)←両方宝塚のラテン風ショー場面では頻出(特に後者)。宝塚が現在なお(大分失われているとはいえ)ラテン風味のセンスを保持したコンテンツを持っていることに着目すべし。少なくともYOSHIOはそのようなセンスに知らず知らず接し続けてこれたことにケーナ奏者として感謝するしかない。

以上です。ではこれから返しに行った後業界を考える反省会に行ってきます。

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2010.06.21

6/18-20の日記

●6/18(金)
昼はCENTO ANNIで。グリルものはパンチのない味だがオリーブ油がシチリアものでがつんと青く美味。パスタも腰が出ている。

夜は「C&C」(久々に食べたがなんのコクもなし)でカツカレーを食べた後、渋谷La Mamaに初見参。
5月に対バンでお世話になったサルーキ=がトリを勤めるライブを見る。
オープニングアクトは見逃すが、次のバンドの途中から見る。
・SUGAR and PEPPERS…歌詞がいまひとつ聞こえず、たまに聞こえると安い言葉だけが飛んでくる。ピアノ混ぜなどに野心は感じるが、ギターは吸引力にかける(下手ではないが)。ただ女性ベーシストが、圧力的にはいまいちだが旋律的に弾く歌心と楽しそうに演奏するキャッチーな舞台上の態度を持っていて、かつて周囲にが理解できないぐらいrumania montevideo好きだった自分のツボにはまる。次のライブは8/22にLa Mamaだそうです。
・Soulshine…明らかに上手い、のだがブルースロックの定型というものを思い出した。ボーカルの聞かせる能力は高いのだが、ギターが自分の好みでない80年代な感じの時間帯が長かった。
・サルーキ=…途中から強引なまでに(柱の裏まで盛り上げに出向くなど)盛り上げる姿勢がいやみでなくハッピーな感じ。一部キリスト教的な歌詞やところどころ出るフォークロックの匂いの強さが意見が分かれるところだとは思われるが、ブルースロックにありがちな「酒飲んで女こまして」というテイストの偽悪性に逃げずに、かなりミック・テイラー入ったギターとともにオリジナルを作る姿勢は率直にすばらしいのではないかと思う。かなり頻繁にライブをされているので機会があったら一度ぜひ見に行ってみてください。

船橋まで帰宅後松屋でトマトカレー。侮れない水準。

●6/19(土)
昼は納豆や野菜炒めなど。
やや遅刻してDaijito邸で開かれたチャランゴ奏者の交流会にあつかましく参加。
桑原健一氏や智詠氏も参加。
パエリャやボンゴレという海鮮系のDAIJITO作の食べ物が文句なしに美味。
「サロン的に音楽交流を」という家主の意向どおり、にわかワークショップや演奏と会話と食事が、ある程度気兼ねなくできる雰囲気だったのでは。
夕方にはCHACARERA DEL TIEMPOのアドリブ10分以上などと図に乗って遊ぶ。
若い世代を自然な形で育成しようという努力を払っている人物として、DAIJITOは評価されるべきであろうと思う。
自分の至らなさに思い至りながら帰宅。帰宅後スルメイカの刺身など食べながらオランダ戦。

●6/20(日)
昼は白身魚の塩焼きなど食べる。その後携帯電話の引き取りをしてから新大久保へ。
カンタティ教室の発表会。
選曲など正直「時が止まっている」と思うこともあるが、このイベントを見るたびに「音をしっかり出して止めることの重要性」「継続のもつ表現力」「真摯なひたむきさを上回る装飾的表現の困難さ」などについて思いを致すため、うまくなったつもりの演奏者にとって非常に有意義な発見と自己批判を得る。

終了後の打ち上げまで参加して帰宅。EL SOLITARIOのチラシを少々配らせてもらった。

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2010.06.16

6/14-15の日記

●6/14(月)
昼はCENTO ANNIでカジキのグリル。もう少しエッジが効いていてもよかった味。
夜は鰯を2匹。あまりに旨いので骨も焼いて食べる。見かけはむかでだがかなり旨い。
サッカーW杯を眺める。この場合勝てば官軍、だとは思う。
個人的にはトゥーリオが目立たない日本代表はグッドコンディションと勝手に認定。

●6/15(火)
睡眠不足解消後部屋片付けに着手。ダンボール8個程度ばらしゴミ8袋。
1994年のTAKUYA&YOSHIOの写真などヤバいものがざくざく出てくる。

夕方から相方と「デリー銀座店」(03-3571-7895)でカシミールカレーなど。ここはインド料理店だがライスとも合わせられるので札幌時代を思い出しながら辛味を満喫。
その後スタバの日本1号店へと流れて座談会の報告やら業界分析やら7/31の打ち合わせやら。

以下はチームとしての思考のつづれ折のメモ。単なる自戒のためのメモですので気にしないでください。
・客を増やす手法として音楽性に依存できない以上、演奏者のキャラクター勝負もすべきだが仕掛けられるのか
・人前で演奏しやすく金銭を得やすかったことのツケ
・天才をスポイルするのでなく、正当なライバルを与えて鍛えるプロセスの必要性と現実
・「コンドル」「花祭り」に音楽表現をすることの説得力を托せるかぎりは順調だった。その場合の限界点とそうでない場合の状況
・この音楽分野の環境の5年後に関して、デビッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」の「FIVE YEARS」で歌われた風景と同等の風景が発生する可能性
・音楽にかかわることへの過大評価をしてはいないか。またその視点を他人に強要した結果はどうか
・シュリンクしている音楽業界全体の現状からみて、この音楽分野はまだ「ぬるい」との見方がなりたつのか
・「諦めた」演奏者が人前に立つ説得力
・遠く離れた音楽をやることへの解を探す努力は継続されているのか

…ともあれ、現状肯定だけでは音楽もしずらいし、かといって現状否定だけでは精神にキツいという話とともに会議は終了。2人で演奏しはじめて19年を超えるが、岡田監督の言のように「我々はまだ何も手にしていない」現状を梅雨空ともに認識する。

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2010.06.14

6/11-13の日記

●6/11(金)
昼はMIRA FLORES。
夜は久々に京成船橋駅そばの松屋で牛丼+サラダセット。案外まずくなかったが顔がかゆくなる。

●6/12(土)
昼はアジの揚げたのなどと秩父土産の生そば。後者は駅売店購入のものだが非常に野性味があって美味。

どうしても新宿の雑踏を通りたくなかったので大江戸線東新宿駅から新宿文化センターへ。
かつてよりも大分ビルが増えているが、船橋駅徒歩15分のところと同様な油断した郊外な感じの雰囲気があり、思ったより心地よい徒歩の道のり。

当日券でB席を購入してピナ・バウシュ「私と踊って」。
初めてみたピナは1993年だったと記憶しているが、今までみたピナよりも男女のディスコミュニケーション、(メタファーかけた)性的抑圧、黒いコートの男性に象徴される社会一般への絡めとられ方などが暴力的演出および無駄のない舞台装置とともに表現されていて、(途中しんどい箇所は確かにあるが)ダンス業界素人にとっても瞠目すべき作品。ピナヲタで名を売る学生時代の先輩の推挙によるものだが、本当に見に行ってよかった。
ある種ポツドールの最良の部分を突き詰めた感じを味わった気分。

新宿文化センターのチラシを眺めるが6/20に行われる「森田さやか」さんなる人の「おはなしのくに」という公演のチラシが、萌えの狙いすぎかナチュラルなのか不明だが大変なことになっていて、普段ダメチラシ配布王であるYOSHIOが瞠目するデザイン。リアルに会う方紹介させてくださいです。一人ミュージカル活動、ということでちょっとEL SOLITARIO精神を感じてご紹介申し上げます。

帰りは日清本社前からバスに乗って早稲田へ。日清本社前ではやりて風の若い女性1人とホスト軍団がたむろしていて、ホスト軍団が一人のホストを胴上げしていた。
早大周辺で昔よく行ったゲーセン「ABC」に入ろうとしたが、ドアが閉まっていてかび臭いにおいが支配していた。

キャンパスを通って自分の頃にはなかった綺麗な建築物に嫉妬し、自分のころからあった古い図書くさい建物に微妙なノスタルジーを感じたりしながら「メルシー」へ。ラーメンとチャーハンを食べる。ここのラーメンの麺は400円の割りに都内でもトップレベルという評価だが、それもノスタルジーなのだろうか。

早稲田から西船橋経由で帰宅。夜はちこ鯛の塩焼きなど。
W杯を眺めながら就寝。

●6/13(日)
昼は納豆ご飯など。
スタジオSUNで練習(SIETE LEGUASなど唐突に練習)、美容室でやり直しのカット(自分の髪はやっかいすぎて店長案件になってしまっているが、先週新人が切ったところどうにもならなかったので店長がやり直し)、図書館へ久々に行く(たまには行きたいがどうにも無駄に暇なし)など。船橋市西図書館は神社の脇にあり、微妙に茂みがある。自分にとっての文化活動のルーツのひとつ。

夜は8匹300円の鰯のうち4匹を刺身にして食べる。北辰水産のおすすめは外れなく美味。

…小人閑居して不善をなす、ではないがこの週末はちょっとノスタルジー成分が多すぎたもよう。来週からまたハードワークしていきたいと念じる所存。

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2010.06.12

【ご報告+告知】「オーラ・アミーゴス」座談会に参加しました

皆様こんにちは。
さて実は標記の件ですが、ラテンアメリカの音楽を中心とした情報誌である「オーラ!アミーゴス」60号で掲載予定の「フォルクローレ」に関する座談会に、不肖Yoshioが参加いたしましたので報告申し上げます。
参加者は、菅沼ユタカさん、福田大治さん、岡田浩安さん、智詠さん(年齢順)、そして私となっています。
座長としてジローさん、司会として高場将美さん、運営はアミーゴスの皆様が行ってくださいました。

議題としては、①「私とフォルクローレ」②「近年のフォルクローレに対する意見、考察」③「日本におけるフォルクローレ界の未来」というものでしたが、これをベースとしつつ、参加者の方々がそれぞれ語るという感じになりました。

当然WARA来日にかけて、という内容ですので②のような話に付随したボリビア音楽情勢に関する話も多く出ましたが、主に日本フォルクローレ史と今後という話になったような気がします。
Daijitoが年代を特定するよう各発言者に要請するなど、研究としてのヒヤリング的姿勢を徹底されていたのが非常に強く印象に残りました。
かなり濃いマニアトークも出つつ、マニアの情報交換や思い出話にとどまらないピリ辛な視点が少しでも出ればと思い参加し、そうなったのではないかとの期待を若干なりとも持ちました。
またユニークなメンバーですが、可能な範囲で皆様率直にお話してされていたことを報告できます。自分も勇をふるって(?)率直に「09年カルカス公演について」なども話しました。

座談会ですので、全員の言ったことが100%反映されるのは非常に難しいものですが、日本のこの手の音楽をやる方、聞かれる方にとって何らかの参考になる内容になるのではないか、と勝手ですが思っております。

ぜひ「オーラ・アミーゴス」60号をごらんいただき、感想をいただけますと幸甚でございます。
おそらくWARA日本公演では会場で販売していると思いますが、お問い合わせなどは以下にお願い申し上げます。


アミーゴ株式会社
〒180-0013 東京都武蔵野市西久保 1-5-8 三鷹明穂マンション404
TEL 0422-59-0833
FAX 0422-59-0834
E-MAIL amigo@hola-amigos.co.jp

…当然、「なんでお前が参加しているんだよ」というツッコミは多々あろうかと思いますが、「日本フォルクローレ界きっての攻撃的毒舌キモヲタベンチャー系ケーナ奏者兼ライブレポーター」としてのステータスだと思いますので(もっと音楽情勢など詳しい方がいらっしゃるのは重々承知しています)、これまでTAKUYA&YOSHIOはじめ自分の活動に同情や理解を示してくださった方への感謝を示すのみでございます。これからもキモヲタベンチャーらしくノーフィアーに頑張りますので宜しくお願い申し上げます。

そして今回の座談会に関与する機会をくださった皆様、同席した皆様、本当に有難うございました。

YOSHIO 拝

追伸:「中南米音楽を広めるためにみんな頑張ってきたけどまだ業界全体として甘えがある。常に凄い演奏を聴かせて関心を高めなければ」というジローさんの諭しがしみました。自分は綺羅星のごとく集まった今回の座談会出席者からみれば集中力ぐらいしか舞台上での売りはありませんが、そこをより磨いていこうと念じております。

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2010.06.10

6/5-6の日記+El Solitario vol.6競演者決定+演奏会情報

●6/5(土)
10時過ぎに家を出てまず日暮里経由池袋へ。
池袋西武で焼き鳥丼購入。
レッドアロー車中で食べ西武秩父着、到着後「あそこ」という名の店でくるみそばを。
そば屋は清潔感に欠けるがくるみそばは案外よい味、山家な感じである。
このゾーンは3軒ほどそば屋が並んでいて激戦を展開しているように見える。
その後「武甲書店」でレアチーズケーキセットを食べてからうっかり「裸のランチ」文庫を購入。

秩父に来たのは、高橋悠治氏と笹久保伸氏のコンサート。
笹久保伸氏のパートでは、「時間とプロセス」が、プリペアした紙の引き抜き方まで決まっていて突出した出来。
他には「アナコンダ」「2つのリディア調の歌」あたりのコクと、抑えるところを抑えつつも生き生きとした演奏が印象に残った。
「アルハンブラの思い出」は少々スリリングであった。

高橋悠治氏のパートでは、左手と右手で拍子が違う感じで不協和音化したゆるい旋律が、あえてマニピュレーターが弾くような音切れを消失させたタッチとともに襲ってくる「子守唄」が突出してすばらしかった。
高橋氏の言葉は悪いが「ぬらりひょん」な感じの存在とアナーキーかつキレのよいピアノワークが、逆にピナバウシュなどに通じる「わかりにくいふりをしたわかりやすさ」を連想させ印象的。
他にはチリ音楽愛好者として「耕す者への祈り」が頭の下がる演奏。

最後イルマ氏をまじえての「El Gavilan」は、面子はファミリーコンサート風だが曲調がヴェルヴェット・アンダーグラウンド風で濃かった。

終了後打ち上げに20分だけお邪魔して船橋へ戻り。
船橋で1年に1度の「Maison de Hama」へ。以前よりもコックがグリルやソースなどに正統派な感じを出していて得した気分を味わう。

●6/6(日)
昼は神保町「咸享酒店」で定食。
夜は三省堂で村上春樹を通じて抱く一般読書人のアメリカ文学への印象と実相との乖離の可能性などをあげつらってから「さくら水産」でヲタ話。
女性従業員2人が最後のほう職務放棄気味にPCで遊んでいる風景を萌えととるか「働けやこら」ととるかは自由。

※おかげさまでEl Solitario vol.6で競演(共演ではなくソロ演奏を互いにするので漢字を訂正します)する方が決定しました。

ケーナ奏者の福田響太郎さんです。ガチンコケーナバトルとなります(予定です)。ぜひ観戦もとい観賞しに来てください。お待ちしております。7/24(土)16:30~、西船橋で開催します!

※※フォルクローレとベリーダンスの融合イベントの案内を受けました。
ダンスおよびダンス音楽を追求されている「ロス・アスピランテス」の関連イベントです。
YOSHIOは諸般の事情で参加は微妙ですが、もし気が向かれる方はぜひ行かれてみてください。
詳細は下記に。また行かれた方の感想お待ちしております!

2010年6月12日(土)
18:00開場 18:30開宴

場所:T’s Salon 銀座
http://www.tsrental.jp/location/ginza/index.html

入場料  前売 \2500  当日\2800

飲食持ち込み自由(ご用意はございませんのでご持参下さい) 
 
詳細はこちら

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2010.06.04

5/28-6/3の日記

●5/28(金)
昼はMIRA FLORES。アドボ・デ・チャンチョが温順でうまかった。

夜はポツドールの三浦大輔初の商業演劇、パルコ劇場の「裏切りの街」。
休憩込みで3時間20分だが、話の密度は「激情」の1/4程度なので、50分程度の話をえんえんと夜まで浴びて疲労する。客席に通常のポツドールよりもはるかに女性が多くしかも席を立たないのでびっくり。

自分は三浦大輔を「露悪的だが稠密に舞台を作れる演出家」と高く評価していたので、そこがまず裏切りな感じ。また暴力によって本音を露呈させる展開がないため、本音が明らかにされないまま話が進んで終わるためこの作者の持つ露悪性の意味がなく残念。さらに後半でちょろっと出てくる古澤裕介がやる「まったくモテず弱気なんだがいやな奴」が話をより展開するような展開もないため同時進行性が薄くシアトリカルな派手さのないだらけた筋書きになってしまっていた。もちろん「松尾スズキの不倫相手が見えないため話の説得力なし」「ラストの2人の語り場面は演出放棄」など、宝塚のダメ系演出家みたいなレベルでの瑕疵も見える。

もちろん「商業演劇の演出もやるようになったので、これまでみたいに『圧倒的にもてない男』に展開を依存した話や暴力とSEXですべて台無しにする人物の世界ではなく、両方をこそこそこなしながらまったりと暮らす展開のない現在の一般社会で主流な人間像にシフトしました」という三浦なりの誠意というのもわからないではないのだが、ならば露悪性をメジャー化の武器にするのではなく稠密さを武器にしてほしいなと思った。
あと三浦先生、ツーショットをよく「ダメなもうひとつへの現実への一里塚」に使いますが現在はせめて出会い系にツールを変更すべきかと。

出演者について。秋山菜津子がポツに出て全裸(バックショットだが)になるとは思わなかった。ラストの妊婦になってからの芝居などでわかるように世界レベルの女優(しかも妙な身体性がないので非常にイデア的な存在感がある)だが、それだけに「自我が強いのに抑圧してツーショットで会ったダメ人間との情欲に流される」という存在への説得力はなかったような気がする。松尾スズキ、確かに独自の世界をつくるが、引き出しの中でやってポツに合わせない感じ。米村亮太朗、実はかなりの高学歴だそうだがどうしようもないチンピラをやらせると演劇界でも
屈指の存在。チンピラっぽくしゃべってリアルでしかも台詞が聞こえるというのはそうはない。しかし他の役はできるのか、というやくたいもない心配はある。

終了後パルコの和風カフェバーみたいなところでさくっと食事して帰宅。

●5/29(土)
昼12時から2時間共演のL氏とスタジオSUNで練習。終了後「南風堂珈琲店」でカレー。安くてよいがカレー自体のコクはない。
神田Decisionへ向かいリハ。結構やばい感じ。
差し入れのハンバーガーを食べつつ待機。そして本番。リハよりはなんとか。お客様がいてありがたい。
リハでは柿色の上下→本番では赤ポンチョ、1曲だけストーンズのVOODOO LOUNGEのTシャツ(破れ)→終了後別の柿色の上下と無駄に着替えまくる。
他の演奏も楽しめ最後一緒にやる、というのは通常の対バン制ではありえない話で、アットホームでよい。
今回声かけいただいたENCUENTROSの皆様や共演者、お客様、お店の皆様に改めて感謝。

終了後ホルモン亭で打ち上げだが、数十分いて焼き物を少し食べたところで終了。

●5/30(日)
朝鰯の焼いたものなどで朝食。
昼は西船橋のベッカーズバーガー、ペッパー&オニオンバーガーを食べたがいまひとつ。

築地市場そばの「CUBAN CAFE」で「第5回チャランゴの集い」。
こちらのイベントは3回目の参観となるが、今回一番考え込む。

まずよかった点。
・司会が、内向きでも音楽に対してのぞんざいさを出すスタイルでもなく最高のバランスであった。また声の聞こえ方も大変よかった。司会のI氏は学生交流会時代からの同期だが、このような方が同期で現場にいることが本当に嬉しかった。
続いて、気になった演奏者の方について。(申し訳ありませんが、有料参観者として実名で評言めいたこと述べること許容ください)
・植月佳奈氏…綺麗な音でオリジナルの旋律を聞かせる演奏は「自立した女性がチャランゴ活動をする姿」として魅力的であり後進の参考にもなると思った。曲としては一番ダレ場がない「CUECA 31」が率直な感情表現もあってよかった。ただいわゆるボリビア的なダイナミックな曲もうまく聴かせる力量があるだけに、次回はその披露もしていただければ、より幅のある演奏になるのではというのが勝手な希望。
・ピテル・ロペス氏…技術レベルは正直「やる気のある学生2年目」レベルだろうが、できない部分をどう押し切って表現するか、が極めて本場的であり、また音楽の楽しさを表現できていて前半で一番スリリングで面白かった。ロックテイストを感じたが、ポトシでロックバンドをされていたと後で聞き納得。このような人を発掘するイベントの意義はあるな、と思った。
・安達満里子氏…三木山フォルクローレのヒロイン的存在だと目されるこの方の技量レベルはいつも流石の水準なのだが、今回はセンテージャスのポルカ曲がセンチメントと技術がともに高いレベルで表現されていて傑出していた。
・曽根正裕氏…曲名のセンスなどに(失礼ながら)N大系の演奏者の方々の一部に見られる露悪的傾向を感じたが、高音のアルペジオなどが非常に綺麗。かなりの技術レベルとお見受けした。今回聞けてよかった演奏のひとつ。
・福田大治氏…カルーヨのメドレーは、チューニングの乱れをねじ伏せる演奏で流石の情感。チャランゴにおける情感の表現という点で、世界レベルのとてつもない人物であることを証明。
・杉山貴志氏…飛び入りで伝承的なチャランゴを。より田舎な鉄弦チャランゴの録音で聞こえる、和音による旋律の上に聞こえる対旋律的なものが生で聞こえたことに感動した。場を盛り上げたサプライズ出演。演奏の姿勢に妙な自己アピールを感じさせない点にも感じ入った。
・ルイス・サルトール氏…今回は守備的な演奏であった。場の雰囲気を見て演奏のタッチを変える姿勢に真のプロを感じた。
・桑原健一氏…チャランゴソロでディアブラーダなどを乗りとともに繰り出して盛り上げられる演奏者はそうはいない。今回に関しては言葉は悪いが「独り勝ち」の印象を持つほどキレのよい演奏で場をさらった。今後が楽しみ、とかいう話ではなくすでに「持ってる」チャランゴ奏者。

続いて、今後のために改善してほしい点。
・有料の入場者(1ドリンク2500円)を入れるのであれば、せっかくそれなりのチャランゴ奏者を集めているのだから、もっと「一般社会へのチャランゴのプレゼンテーション」としての外部への開放感と緊張感をもって運営してほしいな、と思った。ずっと黙って聴いている観客を尻目に、出演者同士で正直ブラボーと呼ぶに値しない演奏に対してブラボーを連呼している姿はどうなんでしょうか。さらに「すばらしい演奏ですね」と、上からな感じで賛意を強要するのも無駄に腹立たしかった。
MCにしても、有料の観客に対して有意義な情報を提供しようという意図はすばらしいのだが、たとえば自分の演奏に反映されていないのに、「ボリビアの音楽はこんなにすばらしいんだからこの演奏を聴け」というニュアンスを発信しまくり、上から教育するかのごとく出演サイドが語り振る舞い、演奏者自身の音楽として勝負する姿勢を見せないケースが散見されるのは、少なくとも自分の知人を連れてこよう、とか思わせないという点で観客動員上も極めてマイナスであると推測される。(司会はその点でもすばらしかったのだが、出演者の一定数にその目線がなかったのが残念。おおかた「なぜこの音楽を演奏するのか」の自問自答をしない習い事の延長線上のスタンスによるものなのではないか、と邪推できてしまいそうなのが残念な限り)
…2年前に初めて見たころは、ベテランフォルクローレ関係者がそのような種類の発信に対してやじを飛ばすなどのある意味「風通しのよい」風景もあったのだが、今回はそれもしずらい雰囲気であった。それがある種の重苦しさにもつながっていたと思う。

もっと言えば、出演者が酒を飲むか否かはどうでもよいが、「酒にのまれた」出演者の演奏は、その演奏者が舞台に立つだけで面白く濃い存在でないかぎり聴きたくないというのが本音である。
また「出演者のほうが観客よりも酒を飲んでいる/飲みやすい状態で楽しんでいる」事態を、一般の観客や店が望むことはないのではないだろうか。

開放感と緊張感という点からみれば、むしろ初心者も出演する仙台のイベントのほうが両方を具備し満足感もあったように思われるのは気のせいであろうか。チャランゴ自体の紹介も豊富であったし。

・演奏について、出来不出来は時の運もあるので仕方がない点はあろうかと思われるが、チャランゴソロのイベントで「2回旋律を繰り返す曲で、1回目と2回目を同一の演奏をする」「どう弦を押さえるかを優先して、旋律を聴かせる方向への努力を怠る」ようなたぐいの演奏は聴きたくないな、と聴衆として思った。「現地ではそうしている、そう習った」のかもしれないし「まったく同じことをやることで生じる現代音楽的意味」もあるのかもしれないが、このイベントではそのスタンスで臨まれると聴衆としてはしんどい。また「この曲は一番不安があります」というトークもせめて打ち上げで聴きたいレベルの発信である。繰り返すが観客からアルバイト1時間以上の金額を取る有料イベントです。

…以上大変厳しいことも申し上げましたが、自分も含めこの音楽に携わる人々が「むくわれなくとも真剣に各人が最善を尽くすことでしかより多くの人に魅力を伝えるチャンスはこない」と信じて、また次のチャランゴの集いがより「楽器をやらない音楽に興味のある知人」を呼んでも楽しんでもらえるようになることを願ってのことでございます。(せっかく仲良くしていただいているチャランゴ奏者の皆様から出入り禁止になるのかもしれないが…)

・チャランゴのエレアコ化は、さまざまなジャンルにチャランゴが入る際に課題となる事象だろうが、うかつにやるとBGMになると思った。個人的な感想です。

集い終了後同店でそのまま打ち上げ。フェイショアーダなどの炭水化物系などを摂取しながら少しだけ演奏させてもらう。これは普通に楽しい時間帯であった。

●5/31(月)
昼はJTBに入ってから「ティーヌン」でガイガパオラーカオ。

●6/1(火)
昼はCENTO ANNIで羊をグリルしたもの。グリルが徹底していたため極めて美味。

●6/2(水)
昼は「島の恵みと喰らえ」で海鮮丼。

●6/3(木)
昼は久々「一品香」で上海焼きそば。以前より接客がよくなっていた。
夜は「登運とん」、串モノバリエーションが今一だったが、鶏ハツが激美味。ここに行った際はその日のメニューの看板に書いてある串はマストである。

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