10/9/18日記(含む宝塚花組公演感想)
●9/18(土)
16時からの回で宝塚花組「麗しのサブリナ」「EXCITER!!」。
期待値は非常に低く(たわいもない、アメリカ資本主義のいい時代のたわごとの話のリメークと、昨年のショーの焼き直し)、演目自体に宝塚運営陣の志を問いたい気持ちはあるが、かなり拾い物の公演。
芝居のほうはわかりきった話、お笑いテイストも底が浅いように見え意識が飛びやすい前半であったが、ラスト30分で真飛聖が内面のゆれを抑制した形で表現できていてびっくり。受動的な親父の役が得意なのではないか。あと「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の歌唱が、頑張ってはいるが声量・技術の余裕の少ない蘭乃はなの瑕疵を埋めるだけの聞かせる水準。
蘭乃はなは頑張っているし明確なミスはないが歌声は上述の通り。あと通常の娘役芝居でオードリー・ヘップバーンをやるとちょっとKYなテイストが出てしまうので、現代的な自立テイストをどこかに忍ばせたほうが納得度が高い、ってこれは手堅いけど退屈場面も多いのを覚悟で映画風のテイストを出すことに執着した演出・中村暁が気づくべきこと。
ショーは一部場面を除くと振り付けが甘いし、そもそも2年連続だしというマイナスは厳然と存在する。ショーがアメリカンすぎてロマンを求める客にはしんどい要素もあるし、真飛・壮一帆より下クラスの男役だと歌詞もきこえずらいケース多しという組の実力の問題点もある(歌で目立つべき愛音羽麗は速いテンポのせいかアピールしきれず)。しかし、わかりやすい主題歌とともに、派手かつ合理的な場面展開の多さのおかげで見て爽快感があり退屈しなかった。演出の藤井大介の力量を評価すべきであろう。課題の「音楽の使い方の安さ」も、安さを残しつつもユーロビート風シンセの味付けに進歩を見せていた。
第5章(キューバのハバナ風の場面)での蘭乃の「ちょっと不器用だが野性味のある切れ味」のダンスは必見。この場面の価値を向上させていた。一方一番の見せ場のはずの第3章「男の革命」は、社員旅行というコンセプトの変更が切れ味の低下を招き(NYなればこそはまった場面)、さらに「出演者で楽しむ感じ」がちょっと出すぎてしまい客へのホスピタリティーが低下していた。
もう一度いうが、安易な翻案・再演は可能なかぎり慎んでほしいし、全面的に賛成できる内容ではない。ただし、水夏希卒業後の真飛が、春野寿美礼引退後の瀬奈じゅんのような確変を起こすかもとの期待を持たせるステージではあった。期待を過大にしないようにした上ならば、見て損はないと思う。
終了後「寿し道楽」(047-422-3350)で回転寿司。変わらず安定。とくにエンガワは(どうせ代替のものだろうが)かなり回転寿司ネタとして完成度高し。
Comments
YOSHIOさんは、マジ、”宝塚”好きなんですね。
文章から愛情が伝わってきますもん。
エンガワは、”オヒョウ”だと思いますぜ。(^^)
Posted by: Caneton | 2010.09.19 09:13 PM