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2010.10.15

101014メモ(saigenjiライブとコスキンで気づいた点など)

1、10/14は表参道・プラッサオンゼでsaigenji氏のライブを見に行きました。
saigenji氏はフォルクローレ演奏者としてキャリアをスタートさせた方で、南米音楽をベースとしたオリジナルの演奏活動をされていて、現在の高感度な音楽の業界では非常に著名な方です。

かなり久しぶりに演奏を聞いたのですが、非常に感動しました。
・南米音楽を広める際に近年よく使われる「音圧を下げる」手法ではなく、エレアコギターが強烈な存在感を持ち、豊潤なリズムセクションに負けない「音圧がバンド級に高い」手法で繰り出される「気持ちよさ」の奴隷にならないオリジナル曲の展開。
・スキャットなどの切れ抜群。ギターリフで拍手を取れるだけのキレと明確性。
・アントニオ・カルロス・ジョビン「ルイーザ」(唯一のカバー)ではリスペクトたっぷりの演奏。
・シャンゴでは、「フルートのように吹くケーナ」ではなく、「ケーナのように吹くフルート」。
・「AMANECER」のように、70年代ロック風のタッチが見える曲がかなり魅力的。南米至上主義ではないようすに、氏のポップへのこだわりが見える。
・「鼓動」のようなアイデア盛り込みまくりの大曲、「ミュージックジャンキー」のような明確な音楽家としての主張などの骨太さ。

現在のアンデス音楽周辺でありがちな「音を丁寧に、音圧を下げて」という方向での昇華ではなく、「音圧を上げて、アイデアを盛り込んで歯切れよく」というライブに強い手法での構築は、もしそれに否定的な人がいても一度は味わうべきアプローチだと思います。
個人的には大変勇気付けられました(もちろん、実際に当方が取れる手法ばかりでないし考えから違う点もあるのは百も承知だが、とにかく音楽への「自称プロ」ずれしていないアツさ【とにかくココ】、そのアツさの流通方法の提示と演奏時の表情などの振る舞いなど学ぶ点多し)。

ライブ後お話をさせていただけたことも幸運な出来事でした。氏の「制限音楽状況の乗り越え方」を書いたコラムはHPにありますのでぜひご一読いただけますと幸甚です。
ここでの出会いもまた、「一点突破」なTAKUYA&YOSHIO,そしてYOSHIOの活動を継続する意欲にあふれさせるものとなったことが嬉しいです。皆様もぜひ、プラッサオンゼ(中南米音楽のライブ空間で最高の場所のひとつでしょう。特にそこはかとない「部室」感がたまりません。カイピリーニャも美味)でのsaigenjiライブいかがでしょう。

2、コスキン・エン・ハポンでよく「内輪受けっぽいチーム名が大量に出る。同じようなメンバーが組み替わりで出て同じような演奏をしているのが価値を下げている」という話を聞きます。
自分もそうだな、と思ってはいたのですが、学生の多くは袖に待機してマイクセッティングをボランティアでやっているという事情も一方であります(自分もかつてやっていました)。
可処分所得が少ない学生にとって交通費・宿泊費負担で労働もするというのは結構しんどかったし、自分の頃(1988~91)よりも現在さらにしんどいのではないかと思います。そのような労働に従事した方が多くの回数出て内容が内輪でも突っ込みずらいというのが、(客席での視聴者を除外した)事情になるかと思います。

もちろん、学生だけが搾取されているのではなく、川俣町の皆様もボランティアでものすごく重労働しているという事情もあります。子供の呼び出し係などいつもすまなく思う気持ちでいっぱいです。あとかつて出あった「ケーナパン」販売は非常に心が痛むものでした。(現在は不明)

多くの人の尽力で成り立っているコスキンが、毎年少しずつでもよくなっているのではないかとは参加23回の者として思わないでもないのですが、搾取構造が割り切れなさを生むことは避けたほうがよいと思われます。以下のような対応などいかがでしょうか。これらはただの思いつきなので、叩き台になればいいレベルの書き連ねです。

●参加料1人2000円は、ボランティアかつ一定以上の強度(数時間以上の拘束)で労働する人は町内町外問わずその価格とし、ボランティアしない人は5000円とする。またボランティア労働をする人以外の複数チーム出演は有料とする(1回追加1000円、など)。
●ボランティアは内容と枠を事前に公開して、参加申し込み時に書き込ませる。
●東京などのマイクセッティングをやる学生団体へは、1往復だけでも川俣行きのバスを出す。
●絹蔵の機能がいまひとつ見えない。町民へのさらなるアピール場所になっているならば、いっそ審査会出場チームに、事前の絹蔵出演を課す、などして煽りに使うのも手。

…本日は眠いのでこれくらいで。乱暴な内容だとは思いますがご笑覧だけでもいただけますと幸甚です。

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Comments

”saigenji”さん、初めてご紹介いただきましたが、興味しんしんです。
いろいろと調べてみますよ。

”ボランティアの方に報いる問題というのは、何のイベントでも多く耳にする問題です。
イベント終了まぎわの全員によるジャムセッション、終了後にミュージシャンが同席しての打ち上げ等は、いかがなものでしょう。

Posted by: Caneton | 2010.10.15 09:45 AM

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