※コスキンエンハポン代表審査会落選慰安がてら、欧州に行くことになりました。
しょうもない話ですが「選ばれる可能性を考慮して貯金→約束された(?)落選→旅行」というプロセスで旅行しています。
南米も行きたいのですが、年末年始ぐらいではなかなか滞在できない現実もあり、欧州に行って文化学習に勤しんでいます。
音楽的話題に欠け大変恐縮ですが、どうかご理解いただけますと幸甚でございます。
※1/29のEl Solitario vol.12 (ゲストDAIJITO)宜しくお願い申し上げます!
◆12/27(火)
成田までは7:38発のJR快速で移動。車中で年賀状書き。
オンラインチェックインはすましてあるBA0006へのチェックイン確認時に、いきなりビジネスにアップグレードを伝えられる。おそらく人生で二度はないであろうビジネスクラス。
保険・腕時計購入などしてから出国審査、休憩室で着替え+風呂。
10:45ぐらいにゲートに行き機内で購入したおにぎりを食べる。
その後2回の食事(1回目はスターターと牛肉、牛肉と赤ワインLes Fiefs de Lagrange 2007ががちはまりで美味。2回目はスターターのサーモンミルフィーユと白シャブリがいい。どのワインが料理にあうかしつこく聞いたところ赤ワインその2=Jim Barry ”The Lodge Hill” Shiraz 2009とチョコを到着前に出される。フルーツ感が強くチョコにあう)を経てアンケートに答えさせられ(全員ではなく選ばれて回答させられた感じ)、ヒースロー着。
入国審査で1時間ぐらい並んでやっと入る。気分を悪くしている人がいた。
ビジネスクラスだったので体力浪費度少なくありがたいが、今年1年の疲労は出てきており、当初予定していたバスに乗る際に必要なターミナル移動がかったるいと思ったところ、市内ホテルまでの乗合ミニキャブカウンター(1stChoiceHeathrow)を見つけてそれに決定。
日本に連絡メールをガラケーで書く(海外対応携帯ならガラケーで十分)などして45分待って乗車、@22.5ポンド。同乗者はもっと高そうな市内のホテルまで乗っていっていた。1時間10分程度乗って18時過ぎにホテルHilton London Tower Bridge着。
チェックイン後仮眠、ルームサービスの時間(フルメニュー)も過ぎたのでよろず屋に買い出しに。
サンドイッチやポテトチップス、ジュースを購入し12ポンド程度。
よろず屋のサンドイッチは以前の記憶ではくそまずかったが結構まともな水準、特にハムがうまい。
ホテル周辺には昨年までCostcutter以外のスーパーなどみかけなかったが、スーパーがいくつも出来ていた。
よろず屋からの帰りがけに地下鉄London Bridge駅でオイスターカードをチャージ。
◆12/28(火)
8:00ごろから朝食を満喫。グリルした魚(今回は鯖を焼いていた)、ベーコン、パンの品質が昨年よりもよくなっていた。
宿を10:00過ぎに出てテート・モダンまで歩く。冬にしてはぬくい状況で、サウスバンクはかっこうの散歩道になっているらしく、さして面白くもない道に多くの観光客が群れている。
ゲルハルト・リヒター(会場では「ライシャー」と言っているように聞こえたが)の回顧展が14ポンドと英国にしては高いが、「TIME OUT」でも推薦されていたので見てみたら非常な満足度で大正解。油絵でフリースのフリースっぽさが表現されるなど、脳幹直撃系の現代美術。具象も抽象も超一流というのがすごいなどと素人にも満足度極大。
思わず絵葉書などを買いまくる。ドイツからも相当数の観客が来ていたようだ。
通常の展示なども見てそれなりに満足するが、多くの作品とリヒターを比べて「横綱と前頭」的格差を感じる。
3時間以上いてミレニアムブリッジを渡り、TEMPLE周辺まで歩いてTWO TEMPLE HOUSEを見学(見学無料)。
19世紀後半に立った貴族の邸宅としては市内ではベストの状態のものの一つらしく、特に日本だったら「サライ」愛読者っぽい雰囲気の観覧者が多かった。
特に2階の木造りの内装の壮麗さと、ウィリアム・モリスの大きいタピストリーの豪華さ、ステンドグラスの華麗さを満喫。ウィリアム・モリスの表現の中世への回帰性と反時代性、一方で時代に乗った流布をしたことなどについて体感的に考え込む。
お客さんの数も適正で、座ったり受付の人と話ができたりとコージーな雰囲気。
館内のバザーっぽい喫茶で手作り感満載のジンジャーケーキと紅茶を食べる。
テンプルから地下鉄1回乗り換えでロンドンブリッジへ戻り、バラマーケットわきのFISH!でフィッシュ&チップスとサラダ(自分はホウレンソウのオリーブオイルかけお浸し的なもの)、発泡水で2人で50ポンド。
ここのフィッシュ&チップスを持ち帰れば10ポンド以内であることを考えれば高いし接客は最低だが、魚自体および付け合わせは非常に新鮮感があり美味。
わざわざ食べに行っても損ではない水準。
夕方でバラマーケットが閉まっている日なのにそこそこ客がいた。
17:00までに宿に戻り、歩いた疲れからうっかり仮眠したところ19:06に起床、タクシー(15分で到着。11.8ポンドだが小銭を探していたところ11.65ポンドぐらいで「もう芝居が始まっている。いいから行け」といわれる。懺悔)をすっ飛ばして、19:30開演のレ・ミゼラブルを15分遅れで着席してみる。STALLで65ポンド。
途中入場の着席の際の案内が明るいプロフェッショナルという感じであった。「今日初めて見る人」と聞いてきたので自分も含め全員そうだと答えたところ「こんな日は初めてだぜ」とのコメント。
舞台はジャベール役が超一流で引き締め、ジャン・バルジャン役は隙もあるが熱演、マリユス役は最後の仲間を悼む歌のみ大感動、テナルディ夫妻の夫役は大活躍(妻は笑いにシフトしすぎていまひとつ)、男性アンサンブルはおおむね信用できる感じだったが、女性陣が率直に言ってだめレベル多し。
ファンティーヌの「夢やぶれて」はこのミュージカル最大の見せ場だろうにのどでがなって終了、パワーに限界があるにしても野々すみ花のほうが百倍優秀。コゼットも「クラシックっぽくこねられますよ」感を出していらっとするし、エポニーヌ(アフリカ系)は芝居や身体能力の高さは魅力的だが歌はのどで歌い倒して子供声になるなど惨憺たる出来。
はじめて金返せと思う箇所がウエスト・エンドミュージカルに存在したように思うが、推測するに抜擢や2軍なのであろう。ラストのカーテンコールも2回ぐらいであっさりしたものというのも出来がよくなかったことの証左では。
次もしロンドンに来る機会があったら、ミュージカルは卒業してもっと音楽系のイベント、ないし古典系のパフォーマンスに行くことにしようと思う。
終了後レスター・スクエアまで歩きで移動して地下鉄を使ってウォータールー回りで宿に戻る。荷造りして25:30就寝。
◆12/29(水)
3:30起床、4:10には駅につきホームで待つが、4:41発予定の列車がなぜかキャンセルされ、寒空の中1時間ほどホームで待つ羽目に。その次の列車であった5:18発に乗る。
6:00過ぎにガトウィック空港につき、セキュリティチェックで時間がかかったりしながらNEROでサンドイッチを購入。ファラフェルのロールなどがうまい。
ガトウィック空港はカートに1ユーロないし1ポンドかかる。(ヒースローはタダ)
イベリア航空張りの機内サービスすべて有料を覚悟したが、ブリティッシュエアウェイズの欧州便の場合エコノミーの機内でもヨーグルトとデニッシュなどの簡単な食事が出る。まあまあだった。
ナポリに予定通りつくが、想定より小さい(岡山空港レベル)。
男性はかなりの確率でサングラスをしている。確かにぬくくてまぶしい。
空港からのアリバスの乗り方案内もろくになく、並んだ地元の人にチケット購入の仕方(インフォメーションで売っていた。しかし係員が英語であまり話したくないらしく、チケット購入方法の案内は聞いた時なかった)などを教わり、12:00を大幅に回って空港を出る。中央駅まで3ユーロ。
駅の案内所で地図をもらったり、イタリア国鉄のラウンジが1等客でも使えない(使える資格などの案内もHPにはないように見える)ので、荷物を預けたり(6時間以内で5.7ユーロ)してから地下鉄に乗ろうとするがチケットの販売方法も乗り場も明確でない。
チケットは駅ではなくタバッキで販売までは事前情報からなんとか類推し対応するが、乗り場にはイタリア国鉄の車両しか来ず乗車をためらう。
どうもナポリの地下鉄は国鉄車両の乗り入れ運転になっているもようであることに、構内を交代で歩いていた職員に聞いたりしてやっと気づき30分程度ロスする。
13:00ごろに地下鉄2号線カブール駅経由で国立歴史博物館。巨大な大理石彫刻やポンペイ発掘の壁画系の絵に圧倒され続ける。
日本人の団体(オプショナルツアーっぽい)もいるが、観客数も少なく、結構まったりと巨大な大理石やフレスコ画を眺める。
職員は「このブロック閉めるけど2分なら見てよい」と言ってくる親切なケースもあるが受付系はおおむね仕事不熱心、2ユーロのつりで20セントを10枚たたきつけてくるのもいる。
15時過ぎに出てMUSEO駅から1号線終点DANTE広場まで行き、LONELY PLANETに書いてあったエスプレッソバー・CAFE MEXICOでカプチーノ(1.35ユーロ。エスプレッソが激濃いので牛乳を入れてもピントがぼけない素晴らしい味)、その隣のVACO E'PESSでマルゲリータ小(ピッコロ、ただし直径15センチ程度ある)1.5ユーロという昼食。
後者は窯焼きの生地もなかなかだが、トマトソースの繊細かつ鋭敏な酸味が素晴らしすぎ、今まで食べたことがない水準。
ナポリは駅近くの庶民街などでシーツを干していたりや男がやたら立ち話をしている感じからもうさんくささがしのばれるが、物価が安く食い物がうまいという印象も抱く。大規模店舗があまり市内中心部では見えず、小さい店がごっちゃりある感じもグローバリゼーションへの抵抗を感じる。
庶民的というより中産階級的な雰囲気のもと、年末の市場のような店がたくさん出ているダンテ広場のベンチでマルガリータを食べてからR1バスでムニシピオ広場へ、少し歩いてヌオーヴォ城や港の対岸などを眺める。
16:20過ぎに同広場からR2バスに乗るが超満員、立っていたところ座っている客からアイコンタクトされるので注意していたらポケットの上を指で探る帽子かぶった親父がいたので手でブロックしたところよそへ行った。被害なしだが「激混雑のバスはやばい」事実を再確認。35分程度で駅に戻る。
その後の観察の結果、どうも「縁なし帽子をかぶった目つきの鋭いオヤジ」には近づかないほうがよいのではとの印象を持つ。
駅で観光案内所(もう少し大きい範囲の地図をくれとかいったら「はあ?」とか言われる)や荷物預け場職員(横柄)にむかついてから、駅のカフェでSPREMUTA(機械によるしぼりたてジュース。オレンジ6個分)2.5ユーロ。こんな駅中カフェでも警備員がいるし、バリスタ的おやじが仕切っている。
駅構内で新しい民間新幹線の宣伝ブースが出ていた。
18:50発のES(新幹線のようなもの)に乗ってローマへ。7分程度遅れて19:15ごろローマ着。こんな短時間でも一等だと飲み物(含むシャンパン)と菓子は支給される。
うっかり泥のように眠り車掌に起こされ、となりのアルプスにスキーに行くっぽいフルムーン夫婦からは微笑まれる。
ローマ・テルミニ駅から地下鉄で1駅行き、NAZIONALE通りを3分ほど歩くと宿(ホテル・アルテミデ)。印象としては小規模ホテルが頑張って旅慣れた旅行客対応をして人気になっている印象。
自分の部屋は屋根裏部屋を改装してスーペリアツインにしたもの、古くて浴室から隣の笑声などはだいぶ抜けてくるがWIFI、フリーミニバー、改装されたバスルームなどの対応で豪華にしている感じ。エレベーターは鳥かご型。旅館を連想すればよく、従業員の態度もよい部類。
外へ出るのがおっくうなのでホテル内で22:15ぐらいから食事。サラダ(量多い)、パスタ(リゾットはマッシュルームが効いて一線級。ただしメニューは海鮮系など存在せずクリーム系しかない感じでラザニア風のやつはチーズが結構くどかった)で2人分で44ユーロ程度(サービス料はつかなかった)。
●12/30(金)
朝食を8:00ごろから。一応バイキング、サラダとベーコンが案外美味。カプチーノかコーヒーは給仕され、どちらが好みか聞かれる。アメリカ人が多い印象(家族連れ)だが、日本人も少々。
9:15にはチェックアウトして地下鉄に乗り(すりに気をつけろと宿で言われる)OTTAVIANOまで、そこから標識を頼りにバチカン博物館まで10分程度歩いたところ大行列。
大行列の脇にいるツアー案内や物売りをかきわけて入口まで急ぎ、9:55に入る。予約しておいたため行列を回避できた。
13:00近くまで美術品、特に天井画に圧倒され続ける。天井画はベスポジでみると人が浮き上がって迫ってくる感じが出る。「最後の審判」は離れれば離れるほど浮き上がり感が出る。しかしどれだけの富がここに集中していたのだろう、という感じ。
なおヴァチカンの絵の中でボンボの原型みたいな楽器があった。当然ではあるが、欧州の一定の時期の楽器が南米に伝播して変遷したと考える材料のひとつかと(今の発言に独自性がないことは分かっています。つまらないですが確認として述べています)。
同行者が足に不安を覚えたので地下鉄に戻りBARBERINI駅で下車、トレビの泉の最寄り駅と書いているが駅そばの泉は違うもの。探しきれなかったので175番バスに乗ってコロッセオへ。バス内に、高校生か大学生ぐらいの日本人女子グループがいた。推測するに「1人が留学中、残りはそれを訪ねて遊びに来ている」感じ。
コロッセオの中に入るのは行列だったので外を眺める。周辺の様子も含め歴史に思いをいたす一方で、「神宮球場に似ている」とのどうしようもない感想も持つ。物売りでしつこいのがいたので立ちあがって追い払う。
その後175番に乗ってLARGO CHIGIで降り、トレビの泉。観光客が佃煮になるほどいるが、設備としては観光客が群れるのもわかる水準の壮麗さ。そこから大統領官邸を経由しナツィオナーレ通りへ。判断ミスでスペイン広場に行き損ね、旧ソ連系の美術展覧会をしている展示場前で少々座り込む。
宿に戻り「朝以降食べていない」と行って相談したところ紹介され宿近くの「BERZITELLE(06-47824714)」で。気軽なトラットリアだが海産系が美味、海産系のパスタ(トマトソースでなくサーディン系の味付け、エビやムール貝、あさり入り)とコーヒーで2人分35.5ユーロだが35ユーロになる。
宿からの紹介を受けた旨伝えると喜ばれる。30分以上待ったのだが、生パスタで茫然とするほどの美味。パスタとしてはここが一番美味であった。
気軽なトラットリアの食事の水準の高さにびびる。
その後宿で休み、17:20ごろ最寄りのバス停からテルミニ駅までバスで。混雑しているので1本やり過ごすが、地下鉄が深いことを考えればここから駅へはバスが好適か。
駅で少々待った後、18:15発のES一等でフィレンツェへ。19:47定時に到着するが、駅からの道を間違え20:30ごろ宿(GOLDEN GATE HOTEL)に到着。ここは5つ星だが、やっぱり旅館系で現代化を推進した感じ。WIFI、ミニバーなど無料でそれなりに豪華な感じ。
少し休んでから「食事をしたい」と相談したところ、50メートルほど離れたトラットリア「LA BUSSOLA」(055-293376)を紹介され行く。仏英西伊が乱れ飛ぶ観光客の多い店だが、味は本式。
フィレンツェ風ピザ(サラミの胡椒感と薄い生地が最高。トマトソース自体はナポリのほうが上)、タリアテッレのボロネーゼ(生パスタでうますぎ)、サラダ、野菜スープにカプチーノ、エスプレッソ、炭酸水で52.88ユーロ(サービス料込)。
やや高いが味の水準は高いし、接客も超つたないイタリア語で通したらかなりフレンドリー。フィレンツェ風Tボーンステーキの分厚さを眺めてびびる。アメリカ人がもてあましていた。
宿に戻って気が付いたら就寝。トラットリアだと同行者と勝手にシェアできるような雰囲気でしかも普通に美味なのでよい(まずいところもあまたあるのだろうが、それなりの宿に聞くとそれなりの店を案内される。イタリアの人々は顔が見える範囲ではかなり誠実な仕事をする人たちなのかもしれないと愚考する)。
●12/31(土)
多少朝ゆっくりし9:00ごろ朝食。10:00すぎに宿を出る。
フィレンチェは狭い道に石造りの建物がのしかかるような感じで、見通しが悪くいまひとつ散歩しても面白くない。
ポンテベッキオまで歩くが寒いので付近のカフェで1ユーロ払って同行者がトイレを使っている間カウンターでマキアートを飲む。親切なカフェだったが水流は極めて弱かったのでトイレは薦めない。
ウフィツィ美術館に11:30の予約をしていたので11:10ごろチケット引き換えに行く。ウフィツィの予約はネットだと決済でひっかかるので日本から国際電話で済ませていた。最低限の英語でなんとかなるしネットよりも枠が多い。ちなみに予約なしの列は大行列、2時間待ちとのことであった。
予約でも5分程度待って入場。印象以上に鮮やかな色彩の「ヴィーナスの誕生」など多くの名画が存在し圧倒的だが、展示自体はかなりごちゃごちゃして昔の博物館みたいな雰囲気。古い建物のせいか、ヴァチカンなどに比べてトイレが整っているとはいえない。
2時間半程度で感動よりも疲労を多く感じてきたあたりで退出。出口近くにウフィツィの成り立ちや、映画で取り上げられた様子の上映(中にはレジスタンスが描かれたものも)があり面白かった。
美術館を出た後ミケランジェロの丘に行こうと思い、タバッキでバスチケットを探すがどこでも売っていないしそもそもバスがどこか分からないので歩いて上る。川から20分ぐらいだが思ったより近い。景色はルネッサンス期の絵画のバックのような風景が広がっていて高さのわりに見事な眺め。
連日の歩きに疲れていたため止まっていた13番バスでサンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで戻る。旧市街の外の普通の地方都市っぽい眺めが素顔のフィレンツェのような感じ。なお丘から降りてくるところでは、かつての邸宅が宿になっている様子をあまた観る。
駅についてから近くの教会へ。想定よりも小規模で敬虔な雰囲気、邪魔にならないようにすぐ出る。
教会そばでフォルクローレの演奏、LOS INTIとか名乗る一団。シンセの伴奏は結構手の込んだ作りだがケーナは早いパッセージがまったく吹けない下手くそレベルだが、若干の観客を得ていた。
大晦日なので地元の買い物客も多い。休憩と遅い昼食を兼ねPROCACCI(055-211656)という食料品店とカフェ、ワインバーを兼ねたところに。トリュフを使ったパニーノが激ウマ。食料品販売をしているカフェでお客が多いところは美味そう、との勘が当たって喜ぶがLONELY PLANETに載っていた。他の客はワインを飲んで休憩する家族連れなど。
ドゥオーモ周辺を覗いてから一端宿に戻り予約を確認、宿経由で予約していたレストラン「BUCA MARIO」(055-214179)へ。この日は21時以降は大晦日年越しメニューで高いとのことで19時の予約を薦められたので一応スーツを来て行く。この店は地球の歩き方などにも載っている。
発泡水と野菜系と肉ないし魚系、カフェで2人で100ユーロ弱。野菜スープは今いちだがパン入りスープのリボリータは美味、肉は700グラムぐらいあるTボーンステーキ、魚はサーモン(意外にも高品質)。ステーキは結構レア度も高いので若干苦戦するが、トスカーナ牛は堅くもなければ脂も多すぎずかなりの美味、気合を入れて脂身以外は骨にしゃぶりついて完食しウエイターに拍手される。
大晦日でにぎやかな街に完食の高揚感に浸りすぎて、Corona's Cafeとかいう店で砂糖水を凍らせたようなクソまずいジェラート2個25ユーロとぼったくられる。価格を先に言わない店でうっかり買ったための敗北、一口食べて店の植え込みにたたきつける。
寒くなってきたので宿に戻る。ローマでもそうだったが、宿ではのどの強いバラード風の曲が延々と流れておりラテンな感じを受けるが、Kサウンドの出自っぽくもある。テレビの歌番組でもベテラン歌手が多く出ていた。
フィレンツェでは午前2時ごろまでラッパと太鼓の楽隊が鳴らしておりうるさかった。楽隊の演奏の音構成やフレージングはかなりアンデス地方のバンダにかぶさり方など特に似ていた。静かになったのは午前4時ごろ。
●1/1(日)
朝を食べる。ウエイトレスが疲れているらしくぼおっとしている。
宿から駅まで歩く途中に掃除の車やら割れた酒瓶やらを見る。
ヴェネツィア行きの10:15ごろ発ES、これまでに比べて車内が狭くローカル線な感じ。隣に日本人女性グループを乗り合わせ少々話す。
一般の日本人旅行者はフィレンツェが好きそうだが、自分はナポリのほうがよいかな、などとやくたいもない考えにひたる。
車中で新年ということもありまたシャンパン。開けたばかりで美味かった。
12:30過ぎにヴェネツィア・サンタルチア駅に着き荷物を預ける。観光案内所も開いていないので駅のタバッキで地図を3.5ユーロで購入、この地図がかなり正確で後々助かる。
とりあえずサン・マルコ広場へ行こうということで2番ヴァポレット(水上バス)に乗る。5ユーロ。外側の運河に出るのでほとんど海な感じ、「伸びゆくヴェネツィア市」という社会科見学をしている気分。30分以上乗ってサンマルコ広場にたどり着く。
行くところもないので美術品をまぶしたような有名カフェ「CAFE FLORIAN」(夏だと楽団がいて金を取られるらしい。このときはいなかった)でCAFE FILTRO(トルコ風コーヒー)と開店290年記念コーヒー(クリーム入りアイリッシュ風コーヒー)で18ユーロぐらい。後者かなり美味。小さい部屋がいくつもあるような感じの店だが、日本人女性が一人いて挨拶する。あと地元っぽい金持ちそうな夫婦がいて目が合ったので目礼し、向こうが出る際に「新年おめでとうございます」とイタリア語で言ったらにこやかに挨拶してきた。トイレに清掃担当の女性がいたのでチップを渡す。
店を出たら、大聖堂のならびにある展示場みたいなところでペルー観光展をしていたようである。
ここからまずリアルト橋まで歩き、『娼婦ベロニカ』で見たような風景を求めて運河周辺を歩くが行き止まり率の高さが船橋近辺の住宅地なみである。
駅へ向かう手書きの表示などを頼りに進み、途中の広場のベンチで座っていたら地元の犬の散歩にかちあったりという感じ。もちろん観光客は多いが、「冬のヴェネツィアはわびさびがあってあり」という友人のアドバイスは妥当だったなと思ったりする。それにしても歩かないとどうしようもない。
16:00過ぎにサンタルチア駅に戻り、空港バスに並ぶが30分ぐらい待つ。ダイヤはあてにならない。しかも空港周辺の地元民も乗りこんで混雑、若者にちょっかいを出されるが空くまで我慢していたら半分ほど行ったところで席に座り何もしてこなくなった。
ヴェネツィア空港もカート有料(50セント、ただし動かないケース多し)。ただし空港としてはコンパクトながらカフェテリア(6ユーロでショートパスタ、学食としては美味しいレベル)、ジェラート(2ユーロで激ウマ)、薬局など揃っており綺麗で使いやすい。
19:40発のBAでガトウィックに戻る。駅からVICTORIA行きの列車に乗ってしまい、検札に来た車掌に聞いてノース・クラパムで乗り換えてLondon Bridgeに戻りまた宿へ。
休憩した後Costcutterで土産のお茶(リプトンの1箱2・99ポンドのティーバッグだが、ダージリンが2つしかないためアッサムとラプサン・スーチョンを購入。ラプサンは想定以上のスモーキーぶりだが慣れると美味)を購入してから、SIZZLER'Sとかいうチェーンで5ポンドのチキンバーガーセット。NANDO'Sには遥かに落ちるがそんなにまずくはない。南アジア系の従業員ばかりな感じ。部屋で食べて荷造りしたり空港への便(1stHeathrowConnect)、HPからの予約だけでは通じなかったので電話確認したりして就寝。
●1/2(月)
朝食を満喫。9:00少し前に迎えがくる。同乗者がいなかったため55ポンド、10:00すぎには到着。
ユーロで払いたかったので相談したところ78ユーロ、80ユーロ出して2ポンドつりを貰ったので1ポンドチップとして返す。かなりまともなミニキャブであった。インド系の人が多そうな会社。
空港でItsuの寿司を食べる。航空会社社員が多く購入していた。イートインだと高いのでテークアウトにしてロビーで食べる。サーモンがかなりの水準。
今回は普通にエコノミーで戻りだが、以前より機内エンタテインメントの質向上。音楽番組中心に見る。機内で飲んだロンドンプライドが美味かった。
●1/3(火)
帰国。JRで戻る。
…今回も多くのサイトおよび情報源にお世話になりました。紹介申し上げます。
◆LONDON LOVE&HATE…いつも紹介していますが、ロンドンおよび英国社会の分析だけでなく観光に使わせていただける新鮮な情報も入った超一級ブログです。ロンドンや英国に興味がある方はぜひご覧ください。こちらのブログ主様に、TWO TEMPLE HOUSEの魅力などをご教示いただき、今回参りました。
◆ロンドン テムズ川便り…こちらもかねてからご案内している、ロンドンの日本人ビジネスマンの方によるブログです。真摯かつ皮膚感覚を大事にされている公演評や旅行記、レストラン案内など大変参考になります。こちらのブログ主様と店で接近遭遇的な事態に2年連続なっているのは驚きでございますが、YOSHIOがいかに参考にさせていただいているかということの証左でもあろうかと思います。
◆ヴェネツィア ときどき イタリア…ここの情報を使いこなせるぐらいにしておけば、ヴェネツィアもっと楽しかったのではと思わせる圧倒的な情報量のブログです。ヴェネツィアは面白そうな街ですので、皆様ぜひご参考にされてください。
◆TEA TIME PARTY…イタリアでの鉄道旅行の手配など、損得なしで丁寧に案内されていて役立ちました。
◆イタリア国鉄予約サイト…イタリアの鉄道は、事前予約MINIを駆使すると1等でもかなり安いです(今回ナポリ~ローマ、ローマ~フィレンツェ、フィレンツェ~ヴェネツィアそれぞれで1人5000円以上払っていません)。事前予約でメールなどを出力持参でまったく問題ありませんでした。なお1等に乗っているのは贅沢したいからではなく、荷物などの安全性の向上をもくろんでという要素が中心です。
◆イタリア政府観光局…2012年から大幅に改悪されていますが、政府系公式情報サイトとしてはかつてはそれなりにシュートな記述もあって便利でした。見る価値はあろうかと思います。
◆アーモイタリア…有料サービスやホテル・店舗のオススメは正直どうかと思いますが、情報量はかなりあるので参考にはよいのでは。
◆クチコミサイトについて最近議論がありますが(構造上以前からあったはずの問題)、トリップアドバイザーはかなり宿探しの参考にしています。自分は予算・場所・設備との兼ね合いの上で「その街の1~3位ではなく4~15位以内のホテルでわざとらしくないところ」を探して、その宿のHPで直接予約という方法を取っています。
◆LONELY PLANETはかなり役に立ちますが、英語版がスタンダードなので「地球の歩き方」で位置関係などをインプットしてから、調べる際に使うなどしました。「地球の歩き方」はバス路線図など詳しいケースもありますが、現地での確認は必要です。
◆「旅の指差し会話帳」、イタリア編かなり出来がいいです。丸暗記でかなり戦えます。
◆その他宿泊しない都市では観光案内所(ただしナポリの観光案内所の英語レベルは非常に低い)、宿泊する都市では宿に聞く、というアナログな手法も、特にレストラン探索などでは威力を発揮しました。その点からも個人客になれた親切な宿選びは重要でしょう。
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