« August 2012 | Main | October 2012 »

2012.09.29

12/9/21-23の日記(ノルテ・ポトシ富良野公演、宝塚花組)

◆ブルガリア音楽ベースの要注目楽団、グロズダンカとのJOSE+YOSHIOによる対バンライブ(於:祖師ヶ谷大蔵 カフェムリウイ)、10/13に強行しますのでぜひご来場ください!

●9/21(金)
出先に19時過ぎまでいてモノレールで羽田へ。
セキュリティで楽器持ち込みタグを付けてもらうように言われ対応後弁当購入。
生姜焼き弁当で味はいいが正方形で量が少ない。
JALの最終で千歳へ。
千歳空港で今回お世話になるM氏に拾ってもらい札幌へ移動。
移動中になか卯でミニ牛丼とうどん、鶏の唐揚げ3個。
なか卯で1時間程度語りあってしまい宿に到着するとすでに0:30すぎ。

狸小路のホテルに泊まる。リッチモンドだが福島よりも古くいわゆるビジホ感が濃厚。ただし部屋の机が広いのは変わらず高評価。
このまま寝るのも余りにも寂しいが歩きまわる体力もないので、「まる山本店」でしぐれ天そば。札幌ではごまを打ち込んだそばが一定数あるがここはその一つ。いわゆる有名系ラーメン店よりも、地元の酔客やススキノ労働者の利用が多く、味は普通だが街の体温が感じられる店。深夜までやっている。

●9/22(土)
8:00ごろ目が覚め、身支度・荷造り後バイキング朝食。スープカレーがあるのはやりすぎだと思うが(スープカレーは自分が住んでいた1992-94年ごろは「スリランカ狂我国」など特定の店にしかなかった。今でも割高感があり、これを食べるなら東京にもあるが狸小路1丁目の「デリー」カシミールカレーを推奨します)、海鮮ちらしずしは案外拾いもの。
9:30ごろ拾ってもらい出発。途中北24条あたりのやたらとオリジナル調剤を推奨してくるマニアックな薬局に、札幌の自営業系のテイストを久々に感じて懐かしかった。
富良野まで行き、「小玉屋支店」で釜揚げそば。想像より味はまともで、非観光的な店を探すなら推奨、量が多くCPはかなりよい。ただし釜揚げそばはそばががんがん伸びていくので推奨せず。

そこから富良野演劇工場へ行き、ノルテ・ポトシ富良野公演を見る。
200人程度の定員のホールは8割がた埋まっており(チケットは定員程度売り切ったらしい)、関係各位の努力の成果を思い知る。

ノルテ・ポトシを生で見るのは初めて(というかそのような機会があるとは思わなかった)だが、公演として素晴らしかったし、一般客の比率が高かった会場を納得させる内容だったと思われる。
冒頭の旅人宿「ノルテ・ポトシ」の宿主の方が「富良野で演奏してもらうのは夢でした」と朴訥に行うあいさつで、関係者はすでに泣きそうになっていたであろう。

演奏としては冒頭4曲では会場全体に緊張感があったが、5曲目MUNASQH'ETAYで「早く3羽にならないかな」という大らかな歌詞内容をJuan氏が話したあたりでほぐれ(Juan氏の日本語は特に第1部では絶妙で、今回の成功に寄与)、SAUCICA(自分はノルテ・ポトシといえばこの曲)やCOLQUECHACAMANTAあたりの盛り上がりに結びついていた。
第2部では冒頭のカルーヨメドレーでのAmor Prohibidoが、いわゆる「民俗的」だけで語られそうなこのチームの越境感を感じさせる情感で自分にとってのてっぺんであった。
第1部のMUNASQH'ETAY~第2部CACHARPAYA(技術レベルはさておき管楽器が雰囲気を出していた)までがこのライブのハイレベル時間帯だったと勝手に認定している。THE WHOのワイト島ライブの「TOMMY」部分といった感じ。

音響・進行などで、変な司会が長々とどうでもいい話をするなどの明確な過失はなく、一般のお客様も満足するレベル(会場は素晴らしい雰囲気)となっていた。

生で見ていて思ったのだが、PHUTUCUM(個人的にはSAUCICAよりピンと来なかったが)などのヒットナンバーで見るように、民俗伝承的要素が濃厚とはいえ、ノルテ・ポトシは「コンコータやチャランゴのリフで押し切る、リズム重視のトレンドの一翼を担ってきた、いい意味で伝統的要素の強いフォルクロックバンド」と勝手に感じた。チャランゴは結構現代的なアプローチもあるし、なによりギターをアンプリファイしているあたりにそのトレンドを感じる。
自分ふぜいがいうまでもなくコルネリア氏の歌声は屹立しているが、あの発声は本来20曲以上も連日歌うためのものなのだろうかという疑問も持った。このサウンドを成立させるための努力の総量と、特に小柄な彼女にかかる負荷の強さにに粛然とせざるを得ない。
ともあれ観て聞くことができてよかった公演であった。

※今回「ケーナがあまり出てこない」「旋律至上主義ではない曲構成・コーラスなどもない」タイプのグループということで、正直動員を悲観していたが、想定よりも各地で動員があったのは、関係各位のご尽力もあるが、一定数「ボリビア音楽に興味があるアンデス音楽愛好家」の数が見えにくいイワシの群れのようではあるが増えているということの証左かもしれない。
またそうはいっても人が4人も移動する今回の公演の予算の出所などは不明ですが、「自分にとってもノルテ・ポトシを呼ぶのは夢だったし、だれかがやらなければ」とおっしゃっていた木下尊惇氏のご尽力と自己抑制(ステージには立たず運営に徹していた)に勝手に敬意を表します。

終了後宿「ノルテ・ポトシ」に行き、北海道だけでない愛好家の集まるパーティー用の練習などする。
パーティーでは40人以上の参加者に加えノルテ・ポトシのメンバーが2時間以上いて愛好家の演奏を聴いた後で、演奏をしてくださった。2,3曲かと思ったら6曲、しかもラスト2曲はワイニョ、トナーダ(いわゆる日本でいう「ティンク」のリズムだが、ルベン氏から「ティンクは祭りの名称でリズムの名称ではありません」と異例のMCがあった)なので、ペーニャ1ステージ分の演奏であった。
ここではPAの手伝いをしていたのだが、ノルテ・ポトシのときにPAをしていた木下氏が演奏に呼ばれた2曲は、不肖YOSHIOがPAをやるという事態になり、珍しく責任感で固まる(設定はほぼいじらず、であったが)。
PAもどきをして感じたのは、コルネリア氏の歌の立ち上がりの剛球感がすごく、立ち上げだけでも下げないとハウリングしそうな音の出方にのけぞらざるを得なかった。凄いの一言。

ノルテ・ポトシ御一行を送り出してから、非常にインサイドワークのうまいマルチプレイヤーとして道内シーンの品質管理に貢献しているM氏と2人で「DANZA AYMARA」「SAN BENITO」の2曲を演奏する。
M氏の掛け声などもはまり、一定の評価を得る。(Mさん、ぜひRADICAL ANDES CONNECTIONの道内限定メンバーになってください)
その後往時一緒に演奏させていただいた(そしてTAKUYA&YOSHIOとも遊んでいただいたことがある)福井岳郎さんの演奏を久々に拝聴し、「ピオピオ」の日本語のせのテンションにぶっとぶ。
福井さんの声の説得力が健在でうれしい思いをする。福井さんHPの更新をお願い申し上げます。

その後道東で活動するオコンコロのメンバーと一緒に演奏したり(ケーナの方がかなりの業師です)、他の方の演奏を聴いたり、他の方と演奏したり、トークをして寝たのが28:30。
一時期YOSHIOは札幌で活動していたので(1993-94)、その当時からのお知り合い、新しいお知り合い、学生サークル時代以来とさまざまな方とご一緒できたのも、ノルテ・ポトシマジックであろう。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
この際に網走のカシュー氏から自作のケーナをいただき、アドバイザリースタッフとなる。いわゆる竹製ケーナな音であり、現地曲系を演奏するには高音は吹き込む必要があるが、低音がかなりブーストできるケーナ。ケーナづくりの水準としてはかなりである。
北海道は河辺さんの影響からか、他地域よりも細身のケーナの制作に長けている方が多いような気がする。

●9/23(日)
6:00に上富良野ハイヤーを呼んでいて来てもらっていたようだが目覚めるわけもなく、気がついたら7:00前。
茫然とするがM氏に事情を話し、岩見沢まで送ってもらい(1時間半程度)、8:56岩見沢発の千歳空港行き特急に間に合う。
M様本当に有難うございました。※ハイヤー会社にもお詫びしました。

空港はJALの手荷物預かりが20分以上かかる混雑状態。往路に付けたタグで通過。11:00発の飛行機で戻る。
焼きサバの押し寿司などを土産に買って帰るが、丸井今井の売店に置いてあった夕張・うさぎやのシナモンドーナツは、冷やすとむしろおいしい。

羽田到着後空港内のカプセルホテルみたいなところ(2時間1600円)で身支度など。自分のときのフロントが異常につんけんしていたが、風呂につかれるので予想よりもリフレッシュできた。
有楽町へ向かいコインロッカーに荷物を預けてから、東京宝塚劇場で花組「サン=テグジュペリ」「CONGA!」を観る。

さすがに疲れていたのもありそんなに大層なことはいえないが、もっと演出段階でやりようのある芝居でありショーではなかったかとの印象。
まず芝居のほうは、『星の王子さま』がはまらないし、不思議な世界のもとでの対話という構造で近似性のある宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読んでも「貧乏な植字工が牛乳とトマトの食事ってけっこうハイカラだな」とか下らないところしか気に留められない汚れた男子がいうのもアレだが、出来の悪い子どもミュージカルっぽい感じを受けてしまう。
登場人物の多くが、大人にならないことを『星の王子さま』でエクスキューズしているような感じで無責任は雰囲気を醸し出してしまい(役者の責任ではない)、くどいのが売りのはずの谷正純の、くどさを引き起こすもとのこだわりさえない淡泊でしょっぱい仕事にがっかりする。

主人公の蘭寿とむが、コンスエロを強引に口説くシーンの切れ味のみ最高であった。蘭乃はなは蘭寿のような割り切りもできず、脚本とともに轟沈したような人物像が統合されない芝居。
壮一帆はきつねでのセリフ回しのうまさによるファンタジーとリアリティのバランスワークなどでまだ見せるが、サヨナラの愛音羽麗はいい人設定に忠実すぎて沈没。
この組にいる華形ひかる、紫峰七海のような達者な役者も活用されきらず。
ただサン=テックスを殺してしまったホルスト役の望海風斗が設定の両面性を生かして頑張っていたのは目を引いた。

ショーのほうも、藤井大介演出のキレのもと蘭寿の熱いショーを期待したのだが、「エル・クンバンチェロ」を短く使う場面の濃さが印象に残る程度であっさりとしている印象。
宝塚のラテンはその精一杯感が、現地のプロが隠し持っている(そして日本の二流のプロだと手慣れたお仕事感で存在自体を否定してしまう)パリパリの要素を引っ張りだしているという点からみて素晴らしいので、もっともっといい意味で過去の資源を使いまわしてほしいと切に願う。(宝塚が自分にラテンソングのテイストを植えつけてくれたことに感謝しているからこその苦言)

とにかく蘭寿が元気なうちに、濃くセクシーな男の芝居をがっつり観たいと切に思う。

さすがに観劇後まっすぐ帰宅。家でもしょもしょ食事をして寝る。

※今回の北海道では、文中以外に述べた方にも多くお世話になり、感謝のしようもございません。今度はもっとゆっくりする形で伺いますので、また遊んでやってください。機会あれば何らかのユニットで北海道で演奏&交流できればと念じております。

※※さすがに遊びほうけているので節約が必要と思いその後「はなまるうどん」によく行っていますが、渋谷西口店のおろししょうゆ(冷)や野菜天がガチうまです。冷やしだと麺のコシが名店系に近い水準でびっくりしました。しょうが、ごま、ねぎ、揚げ玉フリーで店の治安も悪くありません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.09.28

【チラシ完成!】10/13、JOSE+YOSHIO グロズダンカと対バンでムリウイ登場!

皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか?

さて標記の件ですが、ブルガリア音楽を基調とする演奏でつとに注目を集めているグロズダンカの皆様との対バンとして、JOSE+YOSHIOが祖師ヶ谷大蔵のカフェ・ムリウイに出演させていただくことが決まりました!

ムリウイは、都内で珍しい、さりげない感じでオープンエア感のある音楽カフェとして独特の雰囲気のあるところで、南米音楽関係の方も多く出演されています。
最近ではケーナ奏者・岩川光さんが頻繁に出演されています。

客としては何度かお邪魔したことがあるのですが、ついにそこに出演させていただきます!
しかも今回は、グロズダンカの皆様とのセッションも予定されております。
これは南米アンデス音楽業界的には、ちょっと事件だと思います。

…そんなことはさておき、土曜夜、ブルガリア音楽ベースの伝統と現代が交錯した音楽を楽しまれるついでに、JOSE+YOSHIOの、若干耳に優しくもヤヴァい感じをぜひ楽しみにきてください。
投げ銭なのでどうかお気軽に!

グロズダンカとJOSE+YOSHIO
10/13(土)19時スタート
投げ銭制
祖師ヶ谷大蔵・CAFEムリウイ 場所はこちら
予約などは不要です。お気軽にお越しください。ハンバーガーがヘタなグルメ系のところより旨いです。

※今回の対バンは、ナイ奏者として著名な石田秀幸さんのご尽力で実現いたしました。ご恩に感謝するとともに、恩返しすべく本番ベストにスパークしたいと思います。皆様どうか宜しくお願い申し上げます!

「121013.pdf」をダウンロード


| | Comments (0) | TrackBack (0)

Radical Andes Connection 9/1 gig Youtube Debut!

みなさまご無沙汰しています!
北海道でノルテポトシを観たり演奏したりしておりました。

当然コスキンへ向けての準備も整えております。

さて標記の件ですが、Radical Andes Connectionの9/1ギグの動画が3点ほどyoutubeに上がりましたのでご覧いただければ幸いでございます。
全般に特にベースが効いています。

Zuriki
→現代的ボリビアフォルクローレの曲として日本で人気がある曲ですが、極限までロックよりです。

Quena Suburbia
→不肖YOSHIOの曲ですが、治安の悪い郊外な感じにハイエナジー化されました。

Moliendo Cafe
→ちょっとケーナがすっぽ抜け気味ですが、これが一番普通な演奏でしょうか。今回参加した方全員による演奏です。

なおこれらの動画には、UP後すぐにローマ字日本語による「へたくそなんだよ、こんなのフォルクローレじゃない」といういかしたディスりコメントが寄せられていました(街頭演奏系のペルー系の方のようでした)が、削除されていました。

そんな状態ですが、これからもRadical Andes Connectionを宜しくお願い申し上げます。
感想いただけますと幸甚です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.09.17

2012/9/15の日記(慶應ラテ研ライブ)

●9/15(土)
昼まで野暮用で拘束。昼はアジフライなど。
最近中粒の納豆が少ない。

夕方解放なのでノルテ・ポトシは富良野でのみの鑑賞となる。残念ではあるが仕方がない。
実験で動画を非フォルクローレ関係者数名に見せるが、3曲見せると「全部同じに聞こえる」というギブアップ宣言。
生で観れば違う反応が来るかもしれないが…。
(ただの市場調査と思っていただけますと幸甚)

夕方から幡ヶ谷に。慶応大学ラテンアメリカ音楽研究会の夏ライブを鑑賞。
会場のアスピアホールは、チャランゴのアルペジオが非常にきれいに響き、ケーナの中高音域が逆にデッドっぽくなるので、絵本塾ホールよりもむしろ「チャランゴの集い」に向いているのではないか、というぐらいの会場であった。ほのかな体育館っぽい治安の悪さもグランジでよい。
この日はノーマイクライブだが、大学内ホールでないところを借りてライブを打つ気構えを評価すべし。入場無料。

演奏は慶應およびそのOBのみならず、東大民音や名大のOBが相当数出演していたが、全般に見所がそれぞれある感じで、「慶應充実してる」と思うライブであった。ノルテポトシの後に来ても満足できたのではないだろうか、というのはさておくとしても、「日本社会でアンデス音楽に触れちゃった人間たちの、解けない問題の解を探そうとしている様子」が案外むき出されていて結構感動できる内容であった。

実名は出しませんが寸評など。
・RENACUAJOS…2曲めのアプローチは今後どんどんやってほしいと思ったが、「好きなバイオリニスト」の名前を明確にMCしたらもっと観客の理解を誘えたかも。

・ESPERANZA…1年生グループの割に、MCなどに見えるように度胸があるので頑張ってください。

・LOS CAPRICHOS…管楽器など担当のK氏(RADICAL ANDES CONNECTIONでのライブ打ち上げで活躍していた)のスーツと楽器持ち替え芸、およびケーナワークはかなりの水準。曲順は逆のほうがより印象深かったかも。

・GRUPO CALATO…これまでコスキンなどで何度も観てきたチームだが、面子の粒が揃っておりこれまで自分が観た中ではベスト。ケーナは2人とも相当のスキルだが、特にPueblitoのケーナは(まれに高音がすっぽ抜けるものの)本場的な抜けがあって好感。リズム感の出し方で現在のアンデス音楽業界でも屈指の人材であるNさん、もっと演奏でも人前に出てみませんか。リーダーのK氏もこれまでの力任せの悪癖が抜けていて歌に青年感があってびっくり、次のコスキンでは(面子にもよるが)このチーム要注目。人前に立ち続けることで、ベテランになっても伸びるケースがあるいい見本で自分も励みになった。

・ケセラセラ…昔東大に同名のチームがありました。それはさておき「大陸への道」は、原曲とはまったく違うギターベースの強さによるアンビエント感が出ていて面白かった。軽く吹くサンポーニャ奏者として、1人は一定の水準に達している。

・チャランゴソロ…チャランゴの集いに出演していたので実名を出しますが西川哲氏。アルペジオの安定感と説得力はもはやトップリーグの水準でしょう。あとはストロークで余裕(特に消音のところ)を出せれば、既存のチャランゴ名手たちにとっても相当の脅威になると思われます。(宣伝ですがコスキン2日目16時から、TAKUYA&YOSHIOと西川氏で「勝手に会場前庭ギグ」をしますのでぜひ見に来てください)

・LAS FLAUTAS…TU SOLO TUを久々に真面目にやっているところを観た。特に後半が引き締まっていてかなりのスキルを感じたチーム。しかしスーツの上下でとことん吹きまくるK氏の、往時の下柳投手ばりの肩の強さにびっくり。

・CMS48(訂正しました)…ここまでずっとシリアスだったが、ここが慶應の伝統の色物道を表現。コマーシャルソング集をやっていたが、キレのよさにびっくり。実はここに一番「アンデス音楽の楽器をもってしまった自分たちと現実との折り合いのつけ方」を垣間見ました。ただ2曲目のURPILAYでのK氏を中心とするビエントスのスキルとアウトクトナ感がむしろ評価されるべき。このレベルの音をドヤ感なしでさらっと出すところが、このライブのコクになっていた。

…正直このライブに行くまでは一定の屈託を持っていたのだが、やっぱり真正直な演奏(しかも説教テイストなし)を浴びると、月並みすぎるが「こちらもやらなくては」と思わされた。本当に有難うございました。

あとアンデス音楽は、現地ではともかく日本では、観客からの視線の関係もあり「ベテランやプロよりも初心者のほうがよく聞こえる」というジャイアント・キリングが発生しやすい、非常に演奏者にとって気の抜けない(はずの)世界であるし、今日たとえばケーナ奏者で、現地で録音しているレベルのプロと同等の音が出ているケースは一定数あったことで証明されるように、技術と経験だけで優位性が保障される領域が大きいジャンルではないと思われる。

それだけにコスキン・エン・ハポンに向かって、自分がジャイアント・キリングするぐらいの気構えで、バシバシ頑張りたいと思う。お互い頑張りましょう。

※近日中にコスキンでの予定や心構えなどを発表させてください。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

2012.09.15

本日の予定など120915

皆様お久しぶりです。
ノルテポトシの東京公演に行けなかったYOSHIOです。
(富良野公演に参りますので、北海道の方宜しくお願い申し上げます)

本日夜は空くので、これに出没します。ご一緒する方ぜひ宜しくお願い申し上げます。

慶応ラテ研 夏ライブ
慶應義塾大学ラテンアメリカ音楽研究会の夏ライブです。
18:00~19:45
アスピアホール(最寄駅:京王新線幡ヶ谷駅)
入場無料

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.09.11

12/9/8の日記+おまけ告知

●9/8(土)
昼蘇我へ行き、ラーメン「鉄」で味噌ラーメンを満喫する。ここの味噌つゆは「なりたけ」よりヘルシー。

蘇我から品川経由で渋谷、タワレコへ行き噂の笹久保伸コーナーを探すが発見できず、渋谷公会堂へ。
サルーキ=の渋谷公会堂(事務所所属せずに独力での)ライブ。

渋谷公会堂は思っていたよりロックライブをやりにくそうなハコ。
さすがに2階席は空いているが、1階はほぼ埋まっており、彼らの努力の成果に感動する。

演奏は前半は少々不安になる音響であったが、ほほえましい映像がいいブレイクとなって後半からは流石の盛り上がり。
自分によってよかった曲は「夜明け前」「ロックへの憧れ、フォーキーな俺(ものすごくロックに増強されていた)」「楽園」「愛の光」など。伝説のライブハウス神田Decisionで月1回行われていたサルーキ=カフェでも聞いた曲にどうしても感情移入してしまう。
サイリウムを配るなどの良心的な演出、どうしても見える実直さは、必ずしも暖かな雰囲気というものがプラス評価だけではないロックライブというフォーマットでも十分評価されるべきものであり、…いやあ、ロックの人がここまで着実にやっているんだから、アコースティック業界がグレた営業演奏している場合ではないでしょう。

ラストのアコースティックセットなどを見るにつけても、音楽性が違うが良心的なたたずまいにTRAVISを連想した。
今回のライブの成功を衷心から祝福させていただくとともに、今後のさらなる活躍、特にリズム隊がもっとうねるような新展開を期待しています。
…万が一チャンスがあれば、神田Decisionのときのようにまたケーナで絡む機会があることも願って、これからも宜しくお願い申し上げます。

終了後「陳家私菜渋谷店」(03-3464-8801)へ。どうしても人で溢れる渋谷の中では比較的綺麗でリーズナブル。よだれ鶏が美味であった。

終了後バンドの打ち合わせをエクセルシオール(渋谷のチェーン系ではCP一番マシ)および路上で展開して帰宅。

※10/13(土)に祖師ヶ谷大蔵のカフェムリウイで対バン演奏する話が出ています。詳細決まり次第報告いたしますので乞うご期待!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.09.08

12/9/4の日記(笹久保伸氏ライブ)+おまけ

●9/4(火)
昼はひょっとこ屋でロースかつ定食。それなりだが鰻の価格が下がることを祈念。

夜は銀座線わきの神戸屋でフィッシュサンド買い食いしてから南青山MANDALAへ、笹久保伸氏のレコ発ライブ。

笹久保氏とは何の関係もない話だが、レコード会社や事務所が運営の主軸になるタイプのライブでこのハコだと、従業員は丁重だが4000円払った(ただしワンドリンク付)有料客には「自由席なんでお好きなところに座ってください」と放置ぎみな脇を、「こちらへぜひ」みたいな感じで複数の人間がついた招待客がすり抜けていく感じになるのであんまり好きな雰囲気ではない。
(邪推ついでにいえば、南米音楽関連の運営系の人は、知り合いでない普通の客へは目礼もしない、などのホスピタリティに欠けるケースが散見される。昨年のマリアナ・バラフのときは某雑誌系の運営にそれを感じた記憶がある。芸能系のエグみを少し見習ってほしいと、アーティストでなくサポートの人々に対して切に思う)

まあ住む世界に違いがあるのであろうから、今度からレコ発ライブ、ラティーナ主催ライブ、などでこのハコに来るのは、ひがみっぽい気分になりがちな折には控えようと思う。

さてコンサートとしてだが、自分としてはこのときなどよりは感動しなかった。
今回のセットは民謡寄りだったが、自分は現代音楽とペルー民謡が適度に混じったセットのほうが氏のギターの強度を存分に楽しめると感じた。

全般にギターの音は深くてきれいだが、氏の勢いを示すアタック音などが丸められているかのような邪推をもった。イルマ氏が入ったセットはとてもバランスがよく、特に高音がすっぽぬけがちな小型チャランゴとイルマ氏の声をうまくからませていたNegra del Almaでは「音響すげー」とか普通に思いましたが、ギター単体だと、自分としてはこのようなクワイエットな感じよりも強くて大きいPAのほうが好み。特に氏の技法の特徴のひとつであろう、低音のアルパ風の打突音などがちょっと「遠い」感じが自分としては「?」であった。

私は笹久保さんのことを地域や時代を受け止めて乗り越えた半端なくロックなギタリストだと思ってこのように述べているが、それはこちらの勝手な思い込みなので、以上も以下も有料で見たヲタのタワゴトとして処遇ください。

演奏としては前半の冒頭、AUKI AUKIと花祭りを即興風にコラージュした曲の、花祭りでない部分のハイコードのまぶし方がびしびし来ていてクール。前半ではそれに加えて、自作曲の「月の花」のオリエンタルな展開のちらつかせ方がセクシーであったのと、「耕す者への祈り」のある種明快な旋律の曲を真摯に南米的コードタッチで気高く表現する様子がてっぺん。
後半ではイルマ氏とのセットではCarnaval Ayacuchano~Torilでの両者の存在感が素晴らしいのと、Mayu Sonido~Tankarchayでの、笹久保氏特有のペルー的パワーハイコードの響の美しさ、さらにLa Piraguaでのリズムに聴衆をいざなう雰囲気が楽しめたのが聞き所であった。

ここ最近笹久保氏のライブを聞いていなかったが、氏はもっとすごいライブをびしびしやれる人だと思うので、今後演目などを検討しながらまたぜひ、可能ならもっと「生っぽい」ところで聞きたいと思う。

ライブ運営でクレームをひとつだけ言うとすれば、勝負曲っぽいTORO MATAの間、後ろの席で子どもがずっとしゃべっていたのがきつかった。子どもの泣き声よりもしゃべり声のほうがイラッとすることに気づいた度量のない自分。
終了後は邪魔にならないようにそそくさと帰り、新橋駅裏の吉野家で牛丼。ここの牛丼はなぜか他の店より旨い。

…笹久保氏のCDを聞いてみようという方は、老婆心ながらまず「ジョン・ダウランド・リターンズ」をオススメします。あれはガチ傑作アルバムです。その後は曲目で興味を引かれた物を聞いてみるというのはいかがでしょうか。

※明日というか本日(9/8)は、音楽仲間とサルーキ=のライブに行きます。待ち合わせ場所は渋谷タワレコの笹久保伸コーナーです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.09.03

【御礼】Radical Andes Connection、Warriors Celtで3回目のライブ完遂!+9/1-2の日記+おまけ

標記の件でございますが、Radical Andes Connectionは、上野アメ横の本格アイリッシュパブWarriors Celtで3回目となるギグを9/1(土)21時から3ステージ計18曲(+アンコール1曲)という内容で完遂しました。

ご来場の皆様、WARRIORS CELT関係の皆様、本当に有難うございました!

今回は、ホセ犬伏(G)+鈴木龍(チャランゴ・シーク)+際田泰弘(クアトロ)+ayana(ベース)の各氏とYOSHIOという編成で、1ステはかなりオーソドックスに、2ステはベース前面でロックに、3ステは全員でという演奏スタイルにさせていただきました。

多くのお客様、およびお店の方からも特にベースにより低音の明確化がなされ、サウンドの基盤が厚くなっているとの評価を頂戴しました。
またイキのよさ(1ステは自分がちょっと固く突っ込みがちだったですが)への評価も結構いただけましたので、それは出演者それぞれが、南米音楽のフォーマットが要求する水準をクリアしつつもどこかRADICAL感を出しながら演奏できていたというのが、ひょっとしたら表せていた結果ではないかと思っております。
(フォーマット、という点からいうと、たとえば曲目だけでいうと「二羽の小鳩」や「EL ANTIGAL」がしれっと入っているように結構オーソドックス中心でした。アレンジという観点では「CELIA」パンクバージョンなどかなりいろいろやってはいますが…)

ともあれ、今回の演奏スタイルは、一種の「発展性のある」フォームではないか、という手ごたえを得たライブでございました。
WARRIORS CELTに出演できるきっかけとなった1回・2回の成果をもとに、今回の方向性が出せたことに感謝しながら、今後とも地力を上げていくべく奮闘していきたいと思っています。
※ただMCは前回よりも劣悪になってしまいました。これはひとえにYOSHIOがダメだったのですが、吹きすぎで脳の空気が足りなかったようです。英語は修練を重ね再起を期すとともに、分業なども検討します。

今後もWARRIORS CELTでは、一定の間隔でぜひライブをしていこうと思っておりますので、今後ともぜひ宜しくお願い申し上げます。

さらに言えば、終演後出演者全員とアンデス音楽関係のご来場者の一定数、さらにアンデス音楽関係ではないお店のお客様もいりまじる状態で音楽について話したり思い思いに演奏したり(夜中2:30にLEN~O VERDE、4:00前にPUELCHE、さらに4:00過ぎにTEMPESTADという間歇的だが怒涛の演奏状態)という感じで、いい意味での合宿な雰囲気と開かれた雰囲気が入り混じる時間帯(しかもビールを飲みながら)という贅沢な時間が過ごせたのも、この音楽を始めて5本の指に入るいい経験でした。

関係の皆様に深く御礼申し上げるとともに、次回もある意味このような幸運な時間を作れるように、より音楽的にも奮闘していこうと思っています。お付き合いいただいた方々、本当に有難うございました。またぜひ遊びましょう。また興味を持たれた方、打ち上げまでがっつりソリューションする我々のライブで一緒に楽しみませんか?
お店もビールやフードが相当の高水準です。

今後も、Radical Andes Connectionは、チーム名の通りユルく楽しくRadicalにという方針で、参加者のイキのよさを出していく感じでの演奏をしようと思っております。ぜひまたお目にかかれると幸甚です。また演奏者の方で興味がある方は、ぜひ一度遊びに来ていただくなり連絡をいただけると嬉しいです。いい意味での部活感を出しながら、楽しく音楽的前線に出て行きたいと思っております。ともあれ、本当にありがとうございました!

2012年9月2日 YOSHIO 拝

●9/1(日)
楽器などを持って渋谷へ、コインロッカーへ荷物を入れる。
出先の用事を13時過ぎに済ませてから淡路町へ。「つじ田」の味噌ラーメン版の店で味噌ラーメン。青海苔をつっこむと結構美味。その後ルノワールで着替え、コチャバンバへ行きチラシを置いていただいてから岩本町へ。
秋葉原のスタジオで3時間リハ、がっつり練習となる。

疲労したのでWARRIORS CELTの下にあるステーキ店でハンバーグ。300グラム食べる。コーヒーを追加して1時間程度まったりしてから店に行き、懐中電灯持参でセッティング。今回は前回の反省を踏まえ音響で工夫をしハウリング問題を回避する。

終了後店で朝まで。
濃い話をしたり店の他のお客さんやスタッフに楽器の説明をしたりというあまりない種類の濃厚な時間なので一睡もせず。
4:30ごろ出て東西線経由で帰宅。

●9/2(日)
昼ごろ起床、ハゲ天の天丼弁当や生春巻。
また寝て15時ごろにあさひのフライドチキン。
18時過ぎに美容室へ。
夜は鯖の竜田揚げやおひたし、とうもろこし。
1日無為に過ごす。

【おまけ】
老舗プロチーム、グルーポ・カンタティの新進ケーナ奏者・武田耕平氏がテレビでケーナを吹くそうです。
9月9日(日)の夜7時から9時48分。
テレビ東京の「プレミア音楽祭」とのこと。
「岬めぐり」「走れコウタロー」でお馴染みの山本コウタローさんのバックで1曲とのことです。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« August 2012 | Main | October 2012 »