◆ブルガリア音楽ベースの要注目楽団、グロズダンカとのJOSE+YOSHIOによる対バンライブ(於:祖師ヶ谷大蔵 カフェムリウイ)、10/13に強行しますのでぜひご来場ください!
●9/21(金)
出先に19時過ぎまでいてモノレールで羽田へ。
セキュリティで楽器持ち込みタグを付けてもらうように言われ対応後弁当購入。
生姜焼き弁当で味はいいが正方形で量が少ない。
JALの最終で千歳へ。
千歳空港で今回お世話になるM氏に拾ってもらい札幌へ移動。
移動中になか卯でミニ牛丼とうどん、鶏の唐揚げ3個。
なか卯で1時間程度語りあってしまい宿に到着するとすでに0:30すぎ。
狸小路のホテルに泊まる。リッチモンドだが福島よりも古くいわゆるビジホ感が濃厚。ただし部屋の机が広いのは変わらず高評価。
このまま寝るのも余りにも寂しいが歩きまわる体力もないので、「まる山本店」でしぐれ天そば。札幌ではごまを打ち込んだそばが一定数あるがここはその一つ。いわゆる有名系ラーメン店よりも、地元の酔客やススキノ労働者の利用が多く、味は普通だが街の体温が感じられる店。深夜までやっている。
●9/22(土)
8:00ごろ目が覚め、身支度・荷造り後バイキング朝食。スープカレーがあるのはやりすぎだと思うが(スープカレーは自分が住んでいた1992-94年ごろは「スリランカ狂我国」など特定の店にしかなかった。今でも割高感があり、これを食べるなら東京にもあるが狸小路1丁目の「デリー」カシミールカレーを推奨します)、海鮮ちらしずしは案外拾いもの。
9:30ごろ拾ってもらい出発。途中北24条あたりのやたらとオリジナル調剤を推奨してくるマニアックな薬局に、札幌の自営業系のテイストを久々に感じて懐かしかった。
富良野まで行き、「小玉屋支店」で釜揚げそば。想像より味はまともで、非観光的な店を探すなら推奨、量が多くCPはかなりよい。ただし釜揚げそばはそばががんがん伸びていくので推奨せず。
そこから富良野演劇工場へ行き、ノルテ・ポトシ富良野公演を見る。
200人程度の定員のホールは8割がた埋まっており(チケットは定員程度売り切ったらしい)、関係各位の努力の成果を思い知る。
ノルテ・ポトシを生で見るのは初めて(というかそのような機会があるとは思わなかった)だが、公演として素晴らしかったし、一般客の比率が高かった会場を納得させる内容だったと思われる。
冒頭の旅人宿「ノルテ・ポトシ」の宿主の方が「富良野で演奏してもらうのは夢でした」と朴訥に行うあいさつで、関係者はすでに泣きそうになっていたであろう。
演奏としては冒頭4曲では会場全体に緊張感があったが、5曲目MUNASQH'ETAYで「早く3羽にならないかな」という大らかな歌詞内容をJuan氏が話したあたりでほぐれ(Juan氏の日本語は特に第1部では絶妙で、今回の成功に寄与)、SAUCICA(自分はノルテ・ポトシといえばこの曲)やCOLQUECHACAMANTAあたりの盛り上がりに結びついていた。
第2部では冒頭のカルーヨメドレーでのAmor Prohibidoが、いわゆる「民俗的」だけで語られそうなこのチームの越境感を感じさせる情感で自分にとってのてっぺんであった。
第1部のMUNASQH'ETAY~第2部CACHARPAYA(技術レベルはさておき管楽器が雰囲気を出していた)までがこのライブのハイレベル時間帯だったと勝手に認定している。THE WHOのワイト島ライブの「TOMMY」部分といった感じ。
音響・進行などで、変な司会が長々とどうでもいい話をするなどの明確な過失はなく、一般のお客様も満足するレベル(会場は素晴らしい雰囲気)となっていた。
生で見ていて思ったのだが、PHUTUCUM(個人的にはSAUCICAよりピンと来なかったが)などのヒットナンバーで見るように、民俗伝承的要素が濃厚とはいえ、ノルテ・ポトシは「コンコータやチャランゴのリフで押し切る、リズム重視のトレンドの一翼を担ってきた、いい意味で伝統的要素の強いフォルクロックバンド」と勝手に感じた。チャランゴは結構現代的なアプローチもあるし、なによりギターをアンプリファイしているあたりにそのトレンドを感じる。
自分ふぜいがいうまでもなくコルネリア氏の歌声は屹立しているが、あの発声は本来20曲以上も連日歌うためのものなのだろうかという疑問も持った。このサウンドを成立させるための努力の総量と、特に小柄な彼女にかかる負荷の強さにに粛然とせざるを得ない。
ともあれ観て聞くことができてよかった公演であった。
※今回「ケーナがあまり出てこない」「旋律至上主義ではない曲構成・コーラスなどもない」タイプのグループということで、正直動員を悲観していたが、想定よりも各地で動員があったのは、関係各位のご尽力もあるが、一定数「ボリビア音楽に興味があるアンデス音楽愛好家」の数が見えにくいイワシの群れのようではあるが増えているということの証左かもしれない。
またそうはいっても人が4人も移動する今回の公演の予算の出所などは不明ですが、「自分にとってもノルテ・ポトシを呼ぶのは夢だったし、だれかがやらなければ」とおっしゃっていた木下尊惇氏のご尽力と自己抑制(ステージには立たず運営に徹していた)に勝手に敬意を表します。
終了後宿「ノルテ・ポトシ」に行き、北海道だけでない愛好家の集まるパーティー用の練習などする。
パーティーでは40人以上の参加者に加えノルテ・ポトシのメンバーが2時間以上いて愛好家の演奏を聴いた後で、演奏をしてくださった。2,3曲かと思ったら6曲、しかもラスト2曲はワイニョ、トナーダ(いわゆる日本でいう「ティンク」のリズムだが、ルベン氏から「ティンクは祭りの名称でリズムの名称ではありません」と異例のMCがあった)なので、ペーニャ1ステージ分の演奏であった。
ここではPAの手伝いをしていたのだが、ノルテ・ポトシのときにPAをしていた木下氏が演奏に呼ばれた2曲は、不肖YOSHIOがPAをやるという事態になり、珍しく責任感で固まる(設定はほぼいじらず、であったが)。
PAもどきをして感じたのは、コルネリア氏の歌の立ち上がりの剛球感がすごく、立ち上げだけでも下げないとハウリングしそうな音の出方にのけぞらざるを得なかった。凄いの一言。
ノルテ・ポトシ御一行を送り出してから、非常にインサイドワークのうまいマルチプレイヤーとして道内シーンの品質管理に貢献しているM氏と2人で「DANZA AYMARA」「SAN BENITO」の2曲を演奏する。
M氏の掛け声などもはまり、一定の評価を得る。(Mさん、ぜひRADICAL ANDES CONNECTIONの道内限定メンバーになってください)
その後往時一緒に演奏させていただいた(そしてTAKUYA&YOSHIOとも遊んでいただいたことがある)福井岳郎さんの演奏を久々に拝聴し、「ピオピオ」の日本語のせのテンションにぶっとぶ。
福井さんの声の説得力が健在でうれしい思いをする。福井さんHPの更新をお願い申し上げます。
その後道東で活動するオコンコロのメンバーと一緒に演奏したり(ケーナの方がかなりの業師です)、他の方の演奏を聴いたり、他の方と演奏したり、トークをして寝たのが28:30。
一時期YOSHIOは札幌で活動していたので(1993-94)、その当時からのお知り合い、新しいお知り合い、学生サークル時代以来とさまざまな方とご一緒できたのも、ノルテ・ポトシマジックであろう。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
この際に網走のカシュー氏から自作のケーナをいただき、アドバイザリースタッフとなる。いわゆる竹製ケーナな音であり、現地曲系を演奏するには高音は吹き込む必要があるが、低音がかなりブーストできるケーナ。ケーナづくりの水準としてはかなりである。
北海道は河辺さんの影響からか、他地域よりも細身のケーナの制作に長けている方が多いような気がする。
●9/23(日)
6:00に上富良野ハイヤーを呼んでいて来てもらっていたようだが目覚めるわけもなく、気がついたら7:00前。
茫然とするがM氏に事情を話し、岩見沢まで送ってもらい(1時間半程度)、8:56岩見沢発の千歳空港行き特急に間に合う。
M様本当に有難うございました。※ハイヤー会社にもお詫びしました。
空港はJALの手荷物預かりが20分以上かかる混雑状態。往路に付けたタグで通過。11:00発の飛行機で戻る。
焼きサバの押し寿司などを土産に買って帰るが、丸井今井の売店に置いてあった夕張・うさぎやのシナモンドーナツは、冷やすとむしろおいしい。
羽田到着後空港内のカプセルホテルみたいなところ(2時間1600円)で身支度など。自分のときのフロントが異常につんけんしていたが、風呂につかれるので予想よりもリフレッシュできた。
有楽町へ向かいコインロッカーに荷物を預けてから、東京宝塚劇場で花組「サン=テグジュペリ」「CONGA!」を観る。
さすがに疲れていたのもありそんなに大層なことはいえないが、もっと演出段階でやりようのある芝居でありショーではなかったかとの印象。
まず芝居のほうは、『星の王子さま』がはまらないし、不思議な世界のもとでの対話という構造で近似性のある宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読んでも「貧乏な植字工が牛乳とトマトの食事ってけっこうハイカラだな」とか下らないところしか気に留められない汚れた男子がいうのもアレだが、出来の悪い子どもミュージカルっぽい感じを受けてしまう。
登場人物の多くが、大人にならないことを『星の王子さま』でエクスキューズしているような感じで無責任は雰囲気を醸し出してしまい(役者の責任ではない)、くどいのが売りのはずの谷正純の、くどさを引き起こすもとのこだわりさえない淡泊でしょっぱい仕事にがっかりする。
主人公の蘭寿とむが、コンスエロを強引に口説くシーンの切れ味のみ最高であった。蘭乃はなは蘭寿のような割り切りもできず、脚本とともに轟沈したような人物像が統合されない芝居。
壮一帆はきつねでのセリフ回しのうまさによるファンタジーとリアリティのバランスワークなどでまだ見せるが、サヨナラの愛音羽麗はいい人設定に忠実すぎて沈没。
この組にいる華形ひかる、紫峰七海のような達者な役者も活用されきらず。
ただサン=テックスを殺してしまったホルスト役の望海風斗が設定の両面性を生かして頑張っていたのは目を引いた。
ショーのほうも、藤井大介演出のキレのもと蘭寿の熱いショーを期待したのだが、「エル・クンバンチェロ」を短く使う場面の濃さが印象に残る程度であっさりとしている印象。
宝塚のラテンはその精一杯感が、現地のプロが隠し持っている(そして日本の二流のプロだと手慣れたお仕事感で存在自体を否定してしまう)パリパリの要素を引っ張りだしているという点からみて素晴らしいので、もっともっといい意味で過去の資源を使いまわしてほしいと切に願う。(宝塚が自分にラテンソングのテイストを植えつけてくれたことに感謝しているからこその苦言)
とにかく蘭寿が元気なうちに、濃くセクシーな男の芝居をがっつり観たいと切に思う。
さすがに観劇後まっすぐ帰宅。家でもしょもしょ食事をして寝る。
※今回の北海道では、文中以外に述べた方にも多くお世話になり、感謝のしようもございません。今度はもっとゆっくりする形で伺いますので、また遊んでやってください。機会あれば何らかのユニットで北海道で演奏&交流できればと念じております。
※※さすがに遊びほうけているので節約が必要と思いその後「はなまるうどん」によく行っていますが、渋谷西口店のおろししょうゆ(冷)や野菜天がガチうまです。冷やしだと麺のコシが名店系に近い水準でびっくりしました。しょうが、ごま、ねぎ、揚げ玉フリーで店の治安も悪くありません。
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