2014.04.26

ヅカ男子の記事についての感想+14/4/26-27仙台で演奏やセミナーします!

宝塚にはまる男子が増えているという記事について。
なんの数値や俯瞰的な記述もない組み立てにマスコミの劣化を嘆いても仕方がないので、門地なきところから宝塚評論もどきをさせていただいていた男子から。
(現在は出ていないシリーズですが、『宝塚アカデミア』(青弓社)、『宝塚プラス』(小学館クリエイティブ)あたりに痕跡が残っています。自分が携わったなかで評判が比較的よかったのは、まっとう系記事では湖月わたるさんのサヨナラ、エグめ系記事ではハロプロ関連の記事。企画としては演出家を勝手に採点するものなどがカオスだったといわれています)

宝塚が「いやな人」が出てこない演劇というのは実はやや熱心な観劇姿勢による発見とは言えるので、評価としてアリなものいいだとは思うですが、この記事の基調である、宝塚がなんでとことんフィクショナルでデトックスになるのかを考えるのに、女性からの視点は分析上必要でも男性からの視点は不必要だと思います。

(もちろん妙に露出度の高い娘役を見てシンプルに欲情するような観劇姿勢は男性は抑え目にしたほうが、より楽しめるとは思いますが、そういうレベルの話は別にする必要もないでしょう。なぜ宝塚を見る男性がいるか、という視点ではなく、「こんな誰が見てもたまげるようなものがどうして女性をメインターゲットにすることで存続してきたのか」を考えたほうが絶対に楽しいと思います。一方、歴史的に一定数の男性ファンは常にいた演劇、ということへの配慮もほしいところです)

デトックスという観点から見れば、実は出来のよいポツドールもデトックスというか「ああ社会生活頑張んなきゃ」と思わせる点で同じ効果があります。
理想の男性像的なドラマを煮詰めた演劇と、男性のもつ可愛げのないドラマにならないダメさを煮つめた演劇という点での理解に基づいての雑なものいいですが、どちらも「人間って極端だな」と思わせる麻薬的要素があります。
(もちろん宝塚のほうが、システム的にも完成度が高く、手を代え品を替え世界各地に存在する恋愛ドラマを元にしているゆえもあって持続的で骨太だとは思いますが、その骨太さを骨太ととらえず、むやみに男性にとって「安らげる」「デトックスになる」、インテリやエリートのストレス解消になる演劇という記述内容にちょっとイラっと来て、このようなことを書いています)

…週刊ダイヤモンドさん、もしよろしければこの記事よりは数倍煮つまった内容にさせていただき「男が見る宝塚」的な原稿をまとめますが(もちろん男であることにそれほど意味があるとは思いませんが)、いかがでしょうか。
この内容だと「宝塚観ている男性なめんな」ぐらいの感想しかもてません。少なくとも私や仲間の、男性女性を問わない方々は宝塚を、結構さまざまな意味でガン見していてそこまで安らいでは観ていませんでした。そのような姿勢で見ていたからこそ、逆になんらかの人間への共感から「生きる希望」みたいのを貰ったケースがあったように考えております。

まあ安らぎ目当てでもいいので、男性とか女性とかいわず、機会がありましたら宝塚を眺めるのは人生の経験値のポイントゲットとしてはマイナスではないと思います。
ただ絶対音感に振り回されるタイプの方にとっては、並レベルおよびそれより下の男役の歌唱は音の座りという面でちょっとキツいかもしれません。
以上深夜のタワゴトでした。

さて4/27は春チャラに出演します。実は無料でDAIJITOはじめさまざまなチャランゴ奏者の演奏を聴けるチャンス!
私はこちらをケーナ1本でやります。

4/26は、16時から2時間程度セミナーを実施します。無料、あなたの演奏生活のヒントになります(売り込みなど一切なし)。もし「話聴いてみようかな」という方がいらっしゃったら、ホテルグリーンセレクに15:30以降おいでいただけますと幸甚でございます。
終了後は飲み会への合流を考えています。

以上恐縮ですが、仙台はじめ東北の皆様お世話になります。よろしくお願い申し上げます!

YOSHIO 拝

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012.06.17

6/9-17の日記+再起動挨拶

●6/10(土)
早稲田に行き「メルシー」でラーメンとチャーハン。どうも炭水化物まみれだが旨いので仕方がない。
早稲田~高田馬場はラーメン激戦地のようだが、メルシーにしか行く気がしない。

その後早稲田大学オペラ研究会に参加。
こちらは大学の研究室を中心としてよりゆるやかな組織でオペラ研究をしている組織だが、ここに「ボランティア会員」としてもぐりこんでいます。

今回の発表は早稲田大学大学院修士課程の三浦領哉さんによる「ロシア・オペラ史概観」。
ご専門からやや領域を広げて門外漢にもわかりやすくロシアのオペラにおける特殊事情も解説くださり、非常に面白く有意義な発表であった。
自分にとってのキーワードは「ロシアの国民精神としてはプーシキン、近代ロシア語の確立という点も」「正教文化への注目が必要、たとえば典礼では楽器使用ご法度」「モスクワは第3のローマと呼ばれたがる」などなど。

終了後の懇親会にも厚かましくお邪魔する。ヨーロッパ旅行の話から教養課程の重要性まで幅広く。

●6/10(日)
夜宝塚関係でプランタン向かいのビルのひらまつ系の店の食事会にもぐりこむ。一応正装。
話はとことん有意義で非常によかったが、宝塚の宝塚らしさをどう内部で引き継ごうとしているのか、ということが今後もっと注目されるべきかと思われる。

●6/16(土)
チケットが取れていなかった宝塚宙組のサバキを狙うが当然ゲットできず。
せっかく出かけたので中華街へ行く。
あまりに人が多いので道を見失い、休憩がてら「緑苑」という中国茶専門店の2階にある「茗香閣」で休憩。1200円~と高いが、工夫式の茶の入れ方で5杯程度飲みながら中華街の外れの梅雨時の様子を1時間程度眺めるのはかなりしっとりして落ち着いた時間となる。茶を買おうとするが飲んでいた鉄観音は100グラム4000円以上なので諦める。
(中国茶インストラクターという資格があることもここで知る)

手に入れた地図で道をたどり、目当ての「萬来亭」(045-664-0767)へ。カルカス公演の後以来なので1年ぶり。
自家製麺をしている中華料理店で、リーズナブルだがメニューを選ぶとかなり美味。きゅうりの和え物、干し豆腐の和え物、上海やきそば、海鮮平麺あたりがマスト。接客はいまひとつで結構込んでいるが、観光客だけでなく地元系も多い感じで、ぎりぎり本来の中華街テイストを残す感じで好感。麺はするする入る。
案外横浜スタジアムからも近いので観戦前などにいかがでしょうか。

石川町から帰宅。夜はオージービーフのステーキ。牛肉のサシよりもオージーのほうがいいかな、と最近とみに思う。

●6/17(日)
朝はえぼ鯛。
午後から吉祥寺でリハ。かなりスタミナを使うが、やはり練習をきちんとすると精神の贅肉が取れる。
マイクを上からきちっと当てて近づくことでの音圧の確保、リバーブの選択、ゲインで調整などを理解。
PAワークもシンプルに実力を出せるように対応しなければならない。
終了後魚民で3時間程度飲む。

…最近1月程度音楽的に引きこもりでしたが、そろそろ再起動していきます。
コスキン・エン・ハポンを目指して、通常の活動もきちっとこなして行きたいと思います。
今後とも宜しくご指導ご案内、トークへのお誘いなどください。
もちろん演奏依頼なども熱く対応いたします。こちらへ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2010.12.23

●12/15-22の日記(含む宝塚星組公演、モーニング娘。公演評)

●12/15(水)
昼宝塚、夜ハロという師走に何をやっているんだ的な修業の1日。

まず昼宝塚星組。日舞のショー(名前を書くのもあれだが『宝塚花の踊り絵巻』 -秋の踊り-)はここ数年で最も落胆の激しいショー。扇の持ち方がまったくなっておらず、特に夢咲ねねがちりとりの角度で持っている様子に失笑。凰稀かなめの気抜けっぷりもちょっと凄い水準。さらに比較的日舞で太刀打ちできるかと思われた涼紫央でも松本悠里を相手にする踊りでは秒殺されるぐらいのレベル差。
群舞でもせっかくの酒井澄夫のセンスが際立つ波の詩(おけさ幻想)も、銀の扇が揃っておらず残念な仕上がり。ここは舞台としての美しさ(雪と銀扇のあしらい)が際立つ場面だが、おけさの踊りの腰と腕の振りも地元の小学生以下の残念な訓練度。

ここまでだと宝塚に絶望して2010年終わるところだったが、ミュージカルの「愛と青春の旅立ち」が思ったよりはるかにまともで拾い物。

ここでの貢献度が高かったのはまず凰稀。フォーリー軍曹の役は最近では別格系、ないし専科に行きがちな役だが2番手としてここまで舞台を支えきり男の表現を貫くとは、歌唱力がどうのとかの批判を許さぬ水準。文句なし。石田昌也の舞台は役者のMAXが出るケースがあるが、凰稀のMAXを越えた水準。
夢咲のヒロイン役ポーラも、製紙工場で働いていそうな様子と、プアホワイトの精一杯のプライド表現がうまくはまっていて、夢咲嫌いの自分でも感動する仕上がり。フィナーレはダメだったが、それを見逃せるレベル。
もちろんトップの柚希礼音もトップとして目立つよりも舞台の役割に忠実な芝居で貢献。人を受け入れない悪い感じの芝居も悪役経験が生きてOK,なにより群舞でダブルピルエットをびしっと決めるのが「舞台を見ている」感じを観客に与える。

他の役者で目立つのはショートな出番だがきっちり場面をさらった水輝涼(指揮者の肉声を初めて聞きました)、微妙な色気を残していて説得力のあった万里柚美、ふてぶてしさの側面を表現していておとぎ話感の減衰に貢献した白華れみ、髪の毛の色はどうしたことかと思うが年配感を出していた涼紫央など。

冷静に考えると、軍隊内部の生活モノ(人殺しなどからまない範囲で)は、音楽学校のシステムなどから見て出演者の多くが理解しやすかったのかもしれない。ともあれあたり公演であったことは間違いない。久々にサバキをみかけず、むしろ財布を持って立っている人の数が多かった。(平日なのに)

夜はモーニング娘。の横浜アリーナ公演。この日で亀井絵里、ジュンジュン、リンリンが卒業とのこと。
この日ばかりは高橋愛がしっとりとOL風に歌うバラード系(ただし指先の表現などに、彼女の宝塚的素養が垣間見えてぐっと来るものがある)よりも暴力的な音圧のアップテンポな音がはまる。(いつもよりも歌唱者のテンションが高く、音圧の高さに説得力がある。ラストの「涙ッチ」はアッパー系アイドル歌唱の暴力的説得力の例として語り継がれるであろう水準)

卒業の方について、貢献度と送別うんぬんのコメントはファンから見たら噴飯ものでしょうから控えます。ただ普段はヤンキー風味を出しながら客をあおる田中れいながジュンジュンと抱き合って号泣している姿や、ハロプロきってのトーク力でバラエティにも進出している道重さゆみが、まとまりのない話をしていて亀井にやんわり指摘される様子などが、宝塚ではだいぶシステム化・制度化された卒業風景の前のバイタルな姿に感じられて、一般人にも感動を誘う水準であったことは報告しておきます。(ラストの挨拶で「明日になったら(卒業者が)いなくなっちゃうんですよ、すごくないですか」と観客に話しかけ観客が応対に困った光井愛佳のダークなトークも面白かったが)

あと横浜アリーナの開始寸前のサイリウムの輝きはまじ100万ドルの価値ありです。夜景好きの人はここだけを観に行く価値があるぐらいの美しさだと思われる。

今回は先導者の付き添いで、タイトルマッチ前の記者会見が行えそうな終演後の挨拶風景を眺める。3時間半以上歌って踊った後、なお40分以上立って応対する出演者のスタミナに芸能界の厳しさを見る。(節目であるためか来客がかなりの数に上っていた)
終了後まっすぐ帰るが総武快速の終電であった。先導者様有難うございました。そして卒業の皆様、お疲れ様でございました。「人生は美しい」というボリビアのシンガーソングライター、ニロ・ソルコの歌を皆様に捧げます。

●12/16(木)
昼は「アユンテラス」にて。
夜は久々にDAIJITO,ISHINO氏と「カフェ・デ・アリ」で密談しながら飲む。ワインのボトルを飲んだので少々高くついたが、日本らしからぬ店のたたずまいなどにスペイン的空間を夢想する。DAIJITOにはスペイン料理について教わったりしつつ、業界的濃厚トークから前向きトークまで行う。お二方どうもありがとうございました。

●12/17(金)
昼は渋谷「Mira Flores」で。どうみてもインド系の方だが、食べ物は割り切って食べれば以前よりも安いのでCP的にOK。ただし奥の席に座ったところ季節はずれのショウジョウバエに悩まされる。手前のほうがいいらしい(という問題だろうか)

●12/18(土)
昼は大久保で家族でパークゴルフ。大久保駅前の餅屋の海苔巻きやおにぎりはすごく美味い。この日はわさび巻き売り切れで残念。
5ラウンド回ったら風邪を引いてしまう。スコアは最良で+12だが、係員にからまれるとOB連発。イーグルを出した後3連続OBとメンタルだめすぎである。

帰宅途中アッサムでカレー。帰宅したら風邪で動けずFIESTA BAILABLEを断念。関係者の皆様、TODA LA VIDAの皆様ごめんなさい。

●12/19(日)
携帯を買い換える。スマートフォンは見送る。その後練習などをするが体調いまひとつ。

●12/20(月)
あさは「しぶそば」で刻みそばセット(油揚げまみれ)、昼は「増田屋」で野菜天そば、夜飲み会の前に「富士そば」でカツ丼セット。飲み会はエレベーターの壁がボロボロのビルの上で無駄に個室風仕切りをしてあってろくに食い物が出ないのにデザートは出るという、いかにも往時の渋谷を連想させるダメな店で疲弊して帰宅。

●12/21(火)
昼はうな肝丼。夜は「ラーメン一丁」で味噌ラーメンチャーシューねぎ+餃子。

●12/22(水)
昼は「アユンテラス」。夜は味噌で仕立てた鮭と豚のなべ。残留食料消費キャンペーンの一環だが美味い。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2010.10.04

10/10/3の日記(℃-ute感想含む)

●10/3(日)
昼、所用で蘇我へ。
蘇我にて「パーラーばら」(TEL 043-265-7272)でパスタを食べる。店は昭和な感じだが、電源を用意するなどそれなりに時代への対応意欲はある。
パスタは、バジリコは匂いがキツすぎ(チーズ大量投与がよい)だがトマトソースはあっさりしていて、店構えよりはるかに美味。場所を考えると上出来、ただしパスタの価格はそれなり。
話のタネ、レベルや普段使いとしてはアリな水準。

いったん帰宅後スタジオSUNで練習というかアレンジの仕上げ。流石に追い込まれ感が出る。ポール・サイモンの「ONE TRICK PONNEY」という歌を思い出しながら仕上げをシンプル化することに光明を見出すが、一方で「ケーフェイ」「長州力は可能だろうか?(ここはメルセデス・ソーサのアルバムタイトルのノリで)」などという埒もない語が脳裏を飛び交い激しく精神的スタミナを削る。

削られた状態で、市川市文化会館の℃-uteコンサートに先導者に連れられていく。途中老舗の「市川一茶庵 (いちかわいっさあん)」(TEL 047-378-1614)で二色そば。細いほうが人気らしいが、案外太麺がそばがっつり感あってよい。店構えがあまりにも和風座敷できれいとはいいかねるが、千葉としてはかなりの高水準。

コンサートは数種類のダンスメドレーでつなぐ時間帯でアイドル枠の極限まで踊るなど、ハロプログループが持っている訓練度の高さが、若さを解放する表現につながり多幸感に結びつく稀有なライブ。5人の女性のパフォーマンスとしては完成形の一つだったのではないだろうか。勝負曲の「まっさらブルージーンズ」を後半立ち上げの繋ぎ技で使うあたりに、四天王プロレス同様の贅沢感あり。相変わらず露出はきつい服もあるが、アンコールでこれまでと一転して制服っぽい服で出てくるあたりが、アイドルの王道覇道を目指す心意気とも取れた。

今回のように出演者全員が能力を最大限発揮しているステージというのは分野がなんであれ非常に見てて気持ちよいが、個人的にはボーイッシュすぎるがヒップホップテイストを出す曲などで頑張っていた印象のあった岡井千聖が非常にアイドルな容姿に変身していたことに目を奪われた。岡井が前より明らかに目立っていたことがチーム全体の活性化に繋がっていたとも思われる。アンコール前、本編の最後に出演者がそれぞれ台詞を書いたはちまきをしていたが、岡井のものが確か「夢と現実」というもので、これにはまた襟を正す思いをさせられた。

時代がどうでも、周囲がどうでも頑張ることで何かを残さなければならない、ということを鍛えられたアイドルの奮闘により再確認し、底の浅い「ケーフェイ」を乗り越えたプロレス者としてのファイト(たとえば小川と対峙した三沢のようなアレ)を目指そうという活力をもらって会場を後にした。アイドルヲタにはどうにもなれない自分だが、アイドルコンサートの魅力というか社会的意義というものの一端には触れたような気はする。

終了後自宅で多少アレンジ作業。本番まであと1週間。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2010.09.19

10/9/18日記(含む宝塚花組公演感想)

●9/18(土)
16時からの回で宝塚花組「麗しのサブリナ」「EXCITER!!」。
期待値は非常に低く(たわいもない、アメリカ資本主義のいい時代のたわごとの話のリメークと、昨年のショーの焼き直し)、演目自体に宝塚運営陣の志を問いたい気持ちはあるが、かなり拾い物の公演。

芝居のほうはわかりきった話、お笑いテイストも底が浅いように見え意識が飛びやすい前半であったが、ラスト30分で真飛聖が内面のゆれを抑制した形で表現できていてびっくり。受動的な親父の役が得意なのではないか。あと「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の歌唱が、頑張ってはいるが声量・技術の余裕の少ない蘭乃はなの瑕疵を埋めるだけの聞かせる水準。

蘭乃はなは頑張っているし明確なミスはないが歌声は上述の通り。あと通常の娘役芝居でオードリー・ヘップバーンをやるとちょっとKYなテイストが出てしまうので、現代的な自立テイストをどこかに忍ばせたほうが納得度が高い、ってこれは手堅いけど退屈場面も多いのを覚悟で映画風のテイストを出すことに執着した演出・中村暁が気づくべきこと。

ショーは一部場面を除くと振り付けが甘いし、そもそも2年連続だしというマイナスは厳然と存在する。ショーがアメリカンすぎてロマンを求める客にはしんどい要素もあるし、真飛・壮一帆より下クラスの男役だと歌詞もきこえずらいケース多しという組の実力の問題点もある(歌で目立つべき愛音羽麗は速いテンポのせいかアピールしきれず)。しかし、わかりやすい主題歌とともに、派手かつ合理的な場面展開の多さのおかげで見て爽快感があり退屈しなかった。演出の藤井大介の力量を評価すべきであろう。課題の「音楽の使い方の安さ」も、安さを残しつつもユーロビート風シンセの味付けに進歩を見せていた。

第5章(キューバのハバナ風の場面)での蘭乃の「ちょっと不器用だが野性味のある切れ味」のダンスは必見。この場面の価値を向上させていた。一方一番の見せ場のはずの第3章「男の革命」は、社員旅行というコンセプトの変更が切れ味の低下を招き(NYなればこそはまった場面)、さらに「出演者で楽しむ感じ」がちょっと出すぎてしまい客へのホスピタリティーが低下していた。

もう一度いうが、安易な翻案・再演は可能なかぎり慎んでほしいし、全面的に賛成できる内容ではない。ただし、水夏希卒業後の真飛が、春野寿美礼引退後の瀬奈じゅんのような確変を起こすかもとの期待を持たせるステージではあった。期待を過大にしないようにした上ならば、見て損はないと思う。

終了後「寿し道楽」(047-422-3350)で回転寿司。変わらず安定。とくにエンガワは(どうせ代替のものだろうが)かなり回転寿司ネタとして完成度高し。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

2010.08.08

8/3・8の日記

●8/3(火)
夕方「デリー銀座店」(03-3571-7895 )でカシミールカレー。
サフランライスとだとちょうどよいが白米だと激辛、久々にラッシーなどで逃げながら食べる。
肉にも辛さがしみているので逃げ場にならない。しかし美味。

汗まみれになって宝塚宙組「TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン」を観る。ショーになったら劇場内が暑く往生する。
芝居のほうは、齋藤吉正特有の歴史観のペラさが根底にあり、なおかつ若手演出家にありがちな「矛盾がある人物像」となっていて英雄が英雄に見えないレベルの演出手腕なのに宝塚的にはNGな不倫ものを妙に正面から取り上げているので納得度が低いまま終わる感じ。出演者もしんどかったと思う。
舞台上も、盆回しなどの正塚晴彦風の工夫は買うが殺陣がまずかったり海戦に見えなかったりという残念さ。
また映像の多用も手際はよいが後ろの席だと後部画面は一切見えない(装置だと想像はできるが、映像は見えないと想像を許さない)など工夫の余地アリ。特に最後の主人公の大写しは不要では(本人の画像の後ろに本人が控えているという演出)。

ショーは「日食〜サンライズ」の場面が蘭寿とむ筆頭にキレキレで素晴らしい(ピルエット連発などもあり)。この場面だけで金を払う価値ありだが(「太陽の戦士」もありがちだが物語性のある振り付け・踊りで組の実力を見せる。ただしC場面は色がえぐく入口が変なホテルみたいな穴が置いてある装置がいただけない)、前半は色がごてごてしすぎ。全面的にいいわけではない。しかし芝居よりははるかに石田昌也は大人の仕事。

全般に今の宙組は歌で貢献する北翔海莉と蘭寿がしっかりしているため勝ち組っぽいし見て損はなかったが、宝塚の「芝居90分+ショー60分」という時間配分を考え直す時間帯かもしれない。

●8/8(日)
ハロープロジェクトライブを観に中野サンプラザへ行く。
初めてらしいが、つんく♂が出てきてモーニング娘。オーディションの案内と、亀井絵里とリンリン・ジュンジュンの卒業を発表。特に何気なくグループを支えていたイメージのある亀井の卒業は結構でかいのではと思う。
亀井による卒業理由の説明のあと「でも私はライブが大好きなんです」と涙につまりながらいうくだりには、ハロプロファンでない自分でも感動させられるような説得力があった。またその後は泣かずにしっかりステージをこなしていた笑顔が非常に魅力的であった。

間にやっていたサインプレゼントの抽選が宝塚の貸切公演っぽい感じ。

ラストのスマイレージ、真野恵里菜、℃‐ute、BERRYZ工房、モーニング娘。のファン1位曲、特に「まっさらブルージーンズ」「スッペシャル ジェネレ〜ション」「SEXY BOY」のコンボの圧倒的な音圧とパフォーマンスに脳幹が揺れる。
他にいい曲としては「涙ッチ」というシングル未発表曲があった。前向きな歌詞の曲が多いとの発見もあった。

終了後ジャーナリスト枠の先導者についていく形で特例としてバックヤードへ。出演者が取材者などに挨拶するのを見学する。非常に礼儀正しい、独自の規律をもつ体育会な感じと、舞台でみるよりも全員がとてつもなく美形だったり可愛い人たちの集団であること、しかし腹筋などを見るだけで鍛えられていることが明白であることに、メジャー芸能集団の一流派としての凄みを感じる。礼儀正しさが非常に魅力的であったことは特筆しておく。

終了後茶をしばいた後「美登里」(3387-2460)でうなぎ。価格の割りにしっかりとしたうなぎ、タレでささっと食べる分には優れた店。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

2010.05.05

4/28-5/4日記

●4/28(水)
昼はアユンテラス、夜は久しぶりに「登運とん」で。ハツ、ねぎ間が美味。

●4/29(木)
昼はCENTO ANNI,デザートのカッサータは美味。
夕方に大阪へ移動、新阪急ホテル下のバー「リード」で飲みながらカナッペなど。バーの強気の価格体系にビビるが、宿泊客は割引になるので助かる。
この日はツインのシングルユースで5800円。非常な安さ。
空腹なので0時すぎから「日の丸漁港組合」という回転寿司を食べるが、ネタはまあまあなものの店の雰囲気が悪く出しも遅いので数皿でやめ、ラーメン「まんねん」(06-6315-5121)でつけ麺。ややくどい「青葉」風だがこの時間に梅田から歩ける範囲としてはまあよいほうかと。

●4/30(金)
朝は新阪急内のレストランスペースでパンとコーヒー、新阪急らしからぬ低レベルかつつっかかる感じの接客。
宝塚へ赴き、宝塚南口から武庫川を越えるルートで温泉地的景観を再確認した後手塚治虫記念館を久々見学、オリジナルアニメはしょぼいがトキワ荘展示など面白い。

劇場に入りぶっかけうどんとたこ焼きで早い昼飯、両方案外よい出来。
月組「スカーレット・ピンパーネル」、この日は役代わりのショーヴランが明日海りお。悪くない実直な出来だとは思うが、「マダム・ギロチン」のあたりでもう一段積み増しがあるとさらにいいのでは。
霧矢大夢は歌い方がクラシックだからかタイトルロールでは序盤歌詞の聞こえが苦しめな箇所もあったが(イギリス風節回しの部分。安蘭けいは喉声にしてうまくかわしていたような)、「祈り」などは流石の熱唱。
なにより群集演技は月組は星組よりも正直積み増し多く、最後の場面に至る前の民衆のゆらぎを示す歌唱場面などは、反時代的貴族趣味に堕しかねない「紅はこべ」的空間を、民衆を賛美する「ベルばら」テイストを生かして宝塚的かつ歴史動向にそむかないように彩ったものとして語り継がれるべきであると思う。前回「すばらしいけど納得できない空間」と思ったこの芝居の納得度をあげたのは月組群集の皆様。

終了後ホテルに戻る。この日はツインで朝食付き、1人6000円、GW中の新阪急は狙い目。
串揚げを「松葉総本店」(06-6312-6615)で@1500円程度。新製品のマグロはじめ素材の良さと衣の薄さがよいマッチング。ビールよりもタコハイが爽快感あり。
さらに鶴橋「オモニ」(06-6717-0094)へ。道々「この先に店などあるのでしょうか」と思わせる雰囲気だが、店に着いてみるとご近所感といい書いて頼む感じといいヤバげな雰囲気、沈黙が支配する。しかし牛筋が入った「スジ肉ポッカ」なるお好み焼きは、スジのくささゼロでこれまで「お好み焼きはウマさも今一、ボリュームも今一なのであまり食べない」という自分のポリシーを変更する水準で再訪を誓う。今度はスジ肉系は2玉+油かすのメニューなども試してみたい。入るときはすぐ座れたが、店を出るときは21時を回っていたのに並んでいた。

店からは韓国料理店の多い濃い商店街を通ると近い。新梅田食堂街でたこ焼きを購入して部屋で食べて就寝。並ぶほどではないが関東よりはうまい。

●5/1(土)
朝バイキングを食べてから伊丹空港。お土産に困り500円ぐらいのおこし詰め合わせを購入。大阪のおこしは上品である。
JALで東京へ戻り、バスで渋谷。
夜は渋谷「和幸」で名産豚ロースかつ定食。和幸はとんかつとして特化されているので、普通にうまい肉よりも和幸独自の肉を食べたほうがうまい。

●5/2(日)
花組「虞美人」を見る。木村信司のどうでもよい歌詞未満のフレーズによる細かい歌つなぎなどに、「鰯の頭」などと同種の観客をバカにした風情を感じて特に前半にキレそうになるが、「安陽 楚の陣営」などダークかつヒューマンな場面などがまざるので我慢する。助手の大野拓史の力量であろうか、と疑う。木村に中国史への教養も宝塚で扱うべきジェンダー感覚もないのも露呈しているが、「愛愛愛」などのオリジナル曲が木村の仕込みに混ぜられると暴力性が増していて客を苛む。
出演者では劉邦を演じた壮一帆が、劉邦の柄の悪さとでかさをうまく表現できていて好感。あと木村が桃娘・望海風斗の役を書き込んでいるのはわかったし望海もよくやっていたが、突然歌や音を切って役者に丸投げする演出はやめてほしい。ダイナミズムが崩れる。「どうか僕と~」とかいうのを思い出してしまった。あと呂后をやった花野じゅりあは、どうして感情をこめると全部低音ですごむ芝居になってしまうのだろうか。同系の先輩である貴柳みどりなどはもっと引き出しがあった。

終了後有楽町駅地下のドトールで茶をした後中野へ移動。久々に先導者に連行されBerryz工房の「海の家雄叫びハウス」とかいうコンサートを観る。
正直嗣永桃子という人以外忘れていた(この人の「渡良瀬橋」はYOUTUBEにありますがかなり見ものです)が、生で浴びると「作りこみすぎてライトユーザーフレンドリーでない伝統芸能としてのアイドル」の迫力を、相変わらずの音圧(ヲタ狙いは音圧を上げていかなければならないのか、とも気がつく。「フォルクローレは現在ではヲタに受けない」との仮説も最近持ってはいるがそれを痛感)とともに体感する。とりあえず客席は札幌ドームの稲葉ジャンプよりも揺れる。
ただBerryz工房のサウンドは、他よりもバンド寄り、あるいはニューソウル風というものが多く、つんく♂の趣味の反映を感じるし、ベースはとてつもなくかっこいい。ブーツィ・コリンズばりのラインなども聴けるので、行く羽目になった音楽好きはベースを聴いてみてください。
あと熊井友理奈は175センチ以上あってまだ高校卒業されてないということを聴き、ぜひ気が向かれたら宝塚を目指してくださると宝塚を観ている人間としてうれしいな、などとふと考える。アイドルという過酷なショービズの世界で鍛えられた方が宝塚で男役を目指すという展開がもしあれば、それぞれの世界にコクが出るのでは、などと益体もない妄想に浸る。

終了後新宿「川香苑」2号店(5272-6300)で食べる。前菜の漬け汁などに四川料理は辛いだけでないことを体感。

●5/3(月)
昼は久しぶりにCOWBELL、ステーキ美味だがボリューム控えめ。ミンチのほうがボリュームはある。
夜は富士宮やきそばとご飯、など。

●5/4(火)
朝京成スカイライナーで日暮里まで、20分と早い。
池袋からNRAに乗り秩父へ。満席だった。
笹久保伸氏を訪ね、散歩(芝桜)やいろいろ食べながらの会話をする。有難うございました。
芝桜会場は大変な人出、地元系の店もかなり出ていて、特にジェラートは格安に美味であった。

帰りはキャンセル待ちでNRAに乗り帰宅。

| | Comments (5) | TrackBack (0)

2009.02.16

09/1/12-2/15の日記

●1/12(月)
昼は船橋の古参朝鮮料理店「南大門」で焼肉。1人5000円程度で腹いっぱいになるのは安いといえるが、味はそれなり。ただしミノは突出して旨い。
このへんは「肉を持ち込むと朝鮮風に味付けする食料店」などが存在するオールドコリアンタウン。

夜は東武地下のパック寿司など。

●1/13(火)
朝はおにぎり1個、昼はアユンテラス、夜は寄せ鍋。
風邪が激しくなる。

●1/14(水)
午前青山病院へ行く。インフルエンザではないことと、運動などの必要性をかなり指導される。
昼は寿し道楽だが、8皿と味噌汁。食欲の劣化。
夜は甘鯛と餃子。

●1/15(木)
例年ならもう1日休むはずだが、某氏の結婚式二次会オークションのおまけの加湿器のおかげで回復が早い。
朝はおにぎり2個、昼はエル・パティオで黒鯛のタルタルソース。
夜は餃子。

●1/16(金)
朝は梅おにぎりととろサーモンおにぎり。
昼はGOLD RUSHで1ポンドハンバーグ。

●1/17(土)
所用で朝から吉祥寺へ。
朝はドトールのサンドイッチをホームでかっこんだ後、吉祥寺のフレッシュネスバーガーでクラシックバーガー。
昼はハモニカ横丁にある「スパ吉」でミートソース+納豆大盛り。ここのパスタはチャジャンミョンを連想させる風体だが、圧倒的に生麺のコクにマッチしている。

●1/18(日)
昼は鮭。
夜はイカリングフライとひらめの陰干し。

●1/19(月)
昼はCENTO ANNI。スープが美味。

●1/20(火)
昼は南国酒家、グリーンピーススープが美味。

●1/21(水)
昼はティーヌンでガイカップラーカオ。チェーンにしては旨い。

●1/22(木)
昼は弁当。

●1/23(金)
昼はエル・パティオでビーフストロガノフ。
残業用に買って食べたサンドイッチハウスイズの3色Mアソート。コンビニものの倍の値段だが劇美味、特に通常のサンドイッチでは生臭さが来るはずのツナが旨味がっつり。

●1/24(土)
やっと咳や痰が落ち着いてきたのでスタジオサンで2時間練習。
練習にお付き合いいただいた方と夜「一九」(047-432-1919)。ここはかつてかなり渋い縄のれん(池波正太郎の小説に出てくる風)だったはずだが、ずいぶん活気のある焼き系に強い居酒屋に変貌していた。チェーン系で飽き足らない場合は薦められる水準の店。
※西船橋でときどき練習してます。よかったらセッションしましょう。メールでお気軽にご連絡ください。

●1/25(日)
昼は鮭。夜はいつものように神保町会で三省堂本店めぐりをした後「さくら水産」。

●1/26(月)
朝「しぶそば」で掻き揚げ蕎麦+梅おにぎり。
昼はアユンテラス。おかずと飯の食事配分を誤り、最後月桂冠の葉をおかずにする。

●1/27(火)
昼はCENTO ANNI、メインの若鶏ロースもまあまあだが、前菜のわかさぎはかなりよい。

夜は東中野「プリズントーキョー」でグルーポ・イラ・イ・アルカのライブ。遅刻する。
実はフォルクローレ業界でほぼ同時期に活動開始していた、TAKUYA&YOSHIOにとっては同期(と勝手に思っている)グループ。
スタイルはアウトクトナベースだが、特定地域に偏らず、押し付けがましさがない割に仕込みをきっちりやる点だけで尊敬に値するチームである。
ケーナ合奏などの水準はかなりのものがあるし、何より見ていて内輪ノリが100%になることなく一観客として楽しいというのが凄いと思う。

数年前のコスキンでYOSHIOが覆面演奏として参加して以来久々に演奏にも混ぜていただいたが、全然音楽的に貢献できなかった。反省。
今後とも宜しくお願い申し上げます。今年は何らかの形で彼らが経営しているレストラン「パンカーラ」にも顔を出せればと思う。

23時近くまで店で飲んでから帰宅。

●1/28(水)
昼は南国酒家、ホウレンソウのスープが旨い。
夜は少々久々の知人と南麻布方面の「ラ・ボエム」でパスタ&ピザ。
乃木坂経由で帰宅。

●1/29(木)
昼は「亜寿加」。冷やし坦々麺。今度はつけ麺にしようかと思う。無言でどんぶりを突き出してくる接客はだいぶいまいちであるが。

●1/30(金)
昼はエル・パティオ。
夜は久々の友人と大塚「キッチンGOTOO」で。カウンターで大声で話して顰蹙を買うが、食事はかなりまとも。定食屋的に使っている男子がいるのが、グルメ系洋食店にしては高評価。

●1/31(土)
午後は横浜経由で新横浜へ移動。食事場所が群れている場所で吉野家牛丼を食べたところで先導者から呼び出され、新横浜プリンスでサンドイッチと紅茶。
ハロプロのエルダーメンバー卒業コンサートなるものに行く。近くの書店では、あまり店頭では通常見かけない「UTB」なる雑誌がバックナンバー平積みとなっていた。

客席には通常のハロコンと微妙に違う、なんか謝恩会的な雰囲気も流れる。
予測を超えて目を引いたのは、
・松浦亜弥(はるな愛の真似のほうがテレビで頻繁に見かけるが、本家は凄いと痛感。客席最後部をいじる手法は政治家としても一流で、客席との相互交信を高レベルで実現する様子は必見)
・藤本美貴(コンディションはいまひとつだったかもしれないが、「ロマンチック浮かれモード」での客席の盛り上がりはかつてのハロ王国の栄光を感じさせる水準)
・里田まい(パフォーマンスはともかくとして、笑顔が印象に残る)
予測を超えた聞き物であったのは
・タンポポ(曲想は曲・詞とも陳腐なのだろうが魅力的、この水準を現在まで連打していれば音楽的に一定の尊敬を集める集団であったはずだが…)
・モーニングコーヒー(普通に安定したヴォーカル曲。現在そういえばこの方向でこのレベルまで作りこんだガールポップを聞かない)

ハロプロが現状はともあれ一つの芸能的ジャンルを築いたグループであることを体感させる、退屈しない内容であった。

終了後横浜に土地勘がないことなども鑑みて品川まで移動し、パブ風の店は込んでいてチェーン店ぐらいしか開いてない中「肴や 呉平」(5783-5650)。近郊の住宅地の地元のいい魚系居酒屋という感じで使い勝手よい。飛び込みだったが魚も旨くいい店であった。

●2/1(日)
詳細不明。

●2/2(月)
昼はアユンテラス。

●2/3(火)
夕方有楽町「パレルモ」(3591-1865)。一昔前のイタ飯屋という風情だが、その範囲では良心的な店。
宝塚月組『夢の浮橋』『apasionado!!』。
前者は悪い作品ではないと思うし、霧矢大夢が演じる薫が政治的人物テイストを途中から出してくる仕掛けはアリ(ちょっとバルタン星人入った発声も含めて)と思ったが、ラストにせっかく軽めながらコクのある人物像を作っていた瀬奈じゅん演じる匂宮が皇太子になって終了という展開が、せっかくの仕込みを無にした凡庸なトップマンセー作品な感じで残念無念。
宇治田楽の場面はかなり宝塚の伝承技法で無理やり舞台化した感じで唐突ではあるが網野善彦な感じで意欲的、ただ城咲あいをここまでのつなぎというのは無駄な消費。
なにより傀儡=substituteな感じの世界の空しさが出る宇治十条で、その極北である浮舟の存在が出てくるのに、それを規定する大君が幻影でしか出てこないため「失ったものの大きさ」が見えきれない辛い展開。浮舟を演じる羽桜しずくにもミラクルは訪れず、細かく絵を書いた空間が埋まりきらなかった残念さを観客に残しかねないものとなっていた。繰り返すがSubstituteを描こうとした演出の大野拓史の意図は意欲的ではあるが、もう少し「恋愛の突破力」を信じたストーリーでもよかったのではないだろうか。

出演者で意外なほど魅力的だったのは、匂宮の姉女一の宮を演じた花瀬みずか。匂宮との最後のやり取りの場面は背徳な感じすら出ていてコク特濃。

ショーは世評は高かったのだが、個人的には満足度やや低め。ただ瀬奈のトップとしての存在感や責任感の凄さ、霧矢の歌唱力の貢献度の高さなどには感心。

●2/4(水)
朝おにぎり2つ、昼はティーヌン。夜は鰯の丸干し。ジム復活。

●2/5(木)
昼はエル・パティオでメカジキ。

●2/6(金)
周辺業界の展示会参加のため池袋へ。昼は移動中に飯田橋のキッチン・アオキで。さしてCPよくないが、いわゆるグルメ系でないただの洋食屋が残っているのは学生街を除いては極めて珍しい、というか飯田橋も一応学生街だが価格から見ても顧客はほとんどサラリーマン。1年に1度ぐらいは行ってもいいレベルだが、同系の神保町「キッチン南海」のほうが3ランク上。

夜は希須林青山で。スープがラストに出るのはどうなのだろうか。旨いが。

●2/7(土)
2時間スタジオサンで個人練習。
夜は豚肉と野菜の常夜鍋。

●2/8(日)
10:00の特急で甲府へ。車中で朝ごはんのチキン弁当。
甲府到着後かつてのバンドリーダー(カリスマ・パンピーの)に拾ってもらい、タリーズでレストした後「マハール」というカレー屋でバイキング。超一流ではなかろうがCPはかなり高い。

その後「かいじあむ【山梨県立博物館】」(055-261-2631)へ。交通不便。暇らしく従業員が3分程度山梨県の空中写真の上で前説のように説明するのみならずこちらの身元まで聞こうとする。
「武田信玄の祝膳」の説明を受けたが、あんまり歴史に忠実な感じを受けなかった。「これはどこで食べられますか」「京都の料亭で食べれるようですが高いです」との会話。しかし設備としてはかなり頑張っていて1時間程度の時間つぶしとしてはかなり面白いので機会あればぜひ。民謡を聴いて投票するコーナーが一番有意義、一部の民謡はかなりノルテポトシっぽいです。

市内に戻り、家で話をしてから駅ビル内のトンカツ屋「和幸」で。舐めきっていたが予想よりまとも。

行きは「スーパーあずさ」だったが帰りは「かいじ」で帰る。

●2/9(月)
朝はおにぎり2つ。
昼は南国酒家、最近ヒットの多いスープはカブのスープで固形物なし。
夜は飛魚のフライ、おひたしなど。

●2/10(火)
朝はおにぎり2つ。
昼はCENTO ANNI、鰆のメインと前菜ともに充実傾向。
夜はイカリングフライ。

●2/11(水)
ジムへ。
朝兼昼は固めんの長浜ラーメンを賞味期限切れ野菜と煮込んで2玉。
夕方「吉光寿司」、夜はパック寿司。寿司食いすぎ。

●2/12(木)
朝はおにぎり2つ。
昼はエル・パティオで牛肉のマスタードソース。相変わらずありえない水準の美味。肉倍食べたいぐらいである。
夜はイカリングフライとアジフライ、サラダなど。

●2/13(金)
ムーンライトながらの指定券を取り損ねる。
昼は勤務先近辺の郵便局の対角にあるベジタリアンな食堂、手作りカフェ風だがいまいち清潔感に欠ける。座席が狭く接客も馴れ馴れしい。
ベジタリアン系としては不味くないメニューもある(ファラフェルやジャガイモはかなり旨い)が、昼食ローテーションには入らず。
夜はこれも久々の友人と「東京ホルモン 澁谷亭」(3461-0941)。かなり大量に食って@6000円程度、ホルモン自体の味はまあまあだが、コストパフォーマンス的には亀戸方面のほうが優れている。

●2/14(土)
夜は目指しと関さば刺身。東武地下の北辰水産を覚えると引越しが難しいかも。

●2/15(日)
昼は吉光寿司。鯨のベーコンは相変わらず旨い。赤貝もなかなか。
ジムと整体に。整体で最悪の背中の固まりぐあいと言われる。
夜は鍋とブリの照り焼き。

これから毎日更新しよう、と何度目かのらちもない誓いをする。誓いをしながらYOUTUBEでお笑い動画を見ている、せんかたなし。今週はオードリーがヘビーローテーションであった。

| | Comments (3) | TrackBack (3)

2008.08.10

8/3-9の日記

●8/3(日)
暑い。昼久々にジムに行ってから「吉光寿司」でアボカド、鯨ベーコンなどを楽しむ。その後自宅でそば。
夕刻に出かけ、ハロプロの夏コンサート(副題が「避暑地でデートいたしまSHOW」という入力するだけで恥ずかしいもの)に諸般の事情で行く。
歩道橋で眺めていたところ、同じく呆然としていた壮年以上の外国人夫婦に「これは何だ?」と質問される風景が代々木競技場第一体育館前で展開されている。
コンサートではなんのてらいもなく「勝負!勝負!勝負!勝負!」と連呼する道重さゆみと、ハイペースな曲でもかまわず小芝居を実行する嗣永桃子のすごさに恐れ入る。ソロでは高橋愛が一番安心して聞けた(OLみたいな歌いかただったが)。今回かなり威力のあるパフォーマンスをしていたBerryz工房の「スペシャルジェネレーション」が、アンセムのようにヲタの熱狂を誘っていた。

終了後新宿の居酒屋で少々飲んで毒消ししてから帰宅。帰宅後あさりパスタを食べる。船橋周辺はあさりが安いような気がする。

●8/4(月)
昼はCENTO ANNIでリゾットコロッケ。以前よりも上品でたまにはトライしていきたい水準。
夜はゴーヤチャンプルー。

●8/5(火)
昼はアユンテラス。久々に海老だったが量が少なくなっていた。
夜は中村屋のカレー。

●8/6(水)
昼は南国酒家。ここは肉よりも魚介系のほうが水準高い。デザートのゴマプリンはかなりゴマがヘビーに入っていて高評価。
夜は「キッチン南海」にタッチの差で間に合わず「キッチンカロリー」のカツジャンボ定食+ミニサラダ。

●8/7(木)
珍しく朝立ち食い蕎麦で天ぷらそば。(ふだんはコンビニのおにぎり1個を職場で)
昼はEl Patioでスズキのカレーソース。

●8/8(金)
朝は駅ホームでモーニングカレー。
昼はあまりに暑いので開拓意欲をなくし、アユンテラス。
夜は「東魁楼」でトンポーロー定食+酸辣水餃子。後者のボリュームが圧倒的。

ここ数日あまりに暑く、家で作業など一切できず。

●8/9(土)
力尽きて昼起床。そばとモロヘイヤのおひたしの昼食。
午後新宿へ。「モーニング娘。×タカラヅカ シンデレラ the ミュージカル」に。
31列だがコマはよい劇場で、某劇場の2階席のような舞台からの隔絶感がない。
ここでのシンデレラは、2002年に見て以来。そのときは王子が樹里咲穂、シンデレラが遠野あすかであった。

感想などを思いつくまま箇条書きで。
・高橋愛の力量に驚愕。2年前にも感じたパワー不足のうらみはあったが、丁寧な歌唱は出演者随一で大幅に『リボンの騎士』から実力の上積みあり。特に「シンデレラ」ナンバーのマイナー部分の響かせ方をしっかりこなしていることを評価すべき。娘役の身のこなしもあらかた出来ており、今回要求されるレベルでのダンスも見劣りせずにこなしていたため、この舞台のみの評価としては、宝塚現役の娘役の中でも十分に主演級のローテーションを担える水準(当然白羽ゆり、遠野あすかなどの実力十二分な娘役に太刀打ちできるものではないにしても)。「麻乃佳世さんがいて緊張しました」という舞台後の挨拶に対して宝塚好きの観客が「お前とは比べるのも失礼」と突っ込むような事態にはならなかった。芝居も、いじめられる前半の受け、夢見る幻想シーンの可憐さと、中盤以降の生命感を出してくる切り替えで間違いなし。ファミリー向け芝居としては、やりすぎない芝居として相当の高評価がなされるべきである。
・宝塚からの出演の箙かおるは、前回よりもありがちな父親としての国王役の配役で普通。圧倒すべき歌の場面も、女王役の光あけみのスタミナ切れに付き合うかたちでのデュエットになってしまい圧倒にはいたらず。ここは箙のソロで行って欲しかった。せっかく箙の出のときにヲタから若干の拍手が起こるぐらいの、ハロヲタにとっての存在感があったのであるから…。
・OGのうち、トップ経験のある2人の出演者はもう一歩。妖精の女王役の麻路さきは、存在感は流石だが歌の弱点が出てしまっていた。妖精としてのユニセックスさもいまいち出ておらず、若干のミスキャスト。箙かおるが妖精の女王で、麻路さきが国王だったらもっとハロヲタをも圧倒するコクが出せたのでは。さらに、病気からの感動の復活の愛華みれは、継母役だったが少々小芝居に付き合いすぎで残念。終演後挨拶時に「あいちゃーん!」という掛け声をしたヲタに「わたしは『みれ』だから『みれちゃん』って呼んで」と言って呼ばせるようなコメディセンスは健在だったが、今後の活躍を祈念したい。一方で、主役級の宝塚OGはもう少し歌で圧倒できる人も見たかったというのが正味の話。
・宝塚OGが今回大量に出演し、舞台の宝塚化に力量を発揮していた。群舞などを見ていると、10年前の宝塚の場面を見ているような気分にさせられた(男役のコクなどで)。その中でもそれとなく芝居を進行させる身のこなしをきっちりやっていた執事・真山葉瑠や、絶妙の台詞の間で王子との掛け合いに本格感を出していた女官長・妃宮麗子など、実力者が現役時と変わらぬ力量を発揮していたのが嬉しかった。
・懸念材料であった王子・新垣里沙であったが、背も低くビジュアル的に辛いかと思われたものの想像よりもはるかにまし。細かい所作に女性っぽさは出るし、ダンスのところは動きが取れないところもあったが、立ち姿・台詞・歌唱(特に後半)は男役的要素をクリアしており、「研3ぐらいの、まだなりきれていない男役」ぐらいに見えたのは周囲の指導も大きいであろうが本人の努力を称えるべきであろう。また芝居でも、最低限のノーブルさを壊さず、ナイーブなところを中心に見せる姿勢に徹していたため舞台の枠作りに貢献していた。『シンデレラ』は、あまり王子がかっこよく強い男であると、「男にすがる女の出世話」になってしまい現代へのマッチ度が低すぎるため、話の納得度を上げるためにはナイーブなほうがよい、という演出方針にあったものかと推測。
・他にモー娘。で目立ったのは、立ち姿はきりりとしていた久住小春(台詞はだいぶ練習の必要があるが)。
・演出の酒井澄夫には、モー娘。自体の演技集団としてのパワーダウン(『リボンの騎士』時に舞台での貢献度が高かった吉澤ひとみや藤本美貴がいない)、宝塚OGを使える状況、がっちり展開が決まっている原作モノという環境においては、木村信司が行ったような「モー娘。に出番を確保しつつ、宝塚スピリットを強制導入する」かのようなバクチをする選択はなかったであろう(あのときは宝塚関係からは原則箙かおるしか出ておらず、それだけに宝塚を体現せざるをえない箙の舞台上の姿は圧倒的に迫力を持っていた)。また宝塚の粋を職業的に見せるショー作家としての属性が強い酒井は、今回、ファミリーで十分楽しめる芝居を展開しつつ(親子の情愛を謳う場面などに顕著。この要素の芝居では光あけみもよい貢献をなしていた)、ミュージカルとしてのコクを宝塚OGに委託するということでミッションを果たそうとしていた。それはかなり実行されていたし、それが酒井の職業人としての誠意ではあったと思う。しかし、宝塚好きの観客にとって安心して見られる演目ではあったものの、木村演出の『リボンの騎士』のような、ハロと宝塚が完成度はさておいてガチンコ勝負を行い、結果として形成された「今まで見たことがないもの」としての魅力には欠ける演目とはなった。酒井をバッシングしたくなるモーヲタもいるかもしれないが、ここは木村が行ったバクチが、宝塚にとってあまりにとんでもないものであった(奇跡的に成功したが)というふうに考えておくべきではないかと考える。ただ、筆者にも「モーニング娘。の今回の出演者で台詞がない人がいたのはちと気の毒かも」「今回フィナーレが休憩を挟んで行われていたが、前回のときは芝居とショーを箙が素晴らしいつなぎをしていたのが懐かしいな」という感想があったことは報告しておきたい。
・では今回の公演は観る価値があるかないか、ということでいえば「アリ」ではないだろうか。特に宝塚好きにとって、「宝塚好きの外部の出演者が、ここまで宝塚調に娘役を頑張って演じてます」という状況を見届けるのは、けして意味がない振る舞いではなかろう。席はかなりあるようなので、壊される「小林一三が作った最後の現存劇場」コマ劇場(売っているサンドイッチも日本青年館よりはるかに美味)見学がてらを勧める。ただ、その場合フィナーレのモー娘。の4曲ほどは我慢の展開になるかもしれないが。

終了後「HOI AN」で生春巻き、蒸し春巻き、トムヤムクン、ベトナム風お好み焼きなどを。客筋が若めだが(後ろでは合コンやってた)、かなり良質のベトナム料理店。

| | Comments (5) | TrackBack (0)

2008.06.20

『宝塚プラス』著者による販売実施のお知らせ

皆様お久しぶりです。少々ブログ更新をさぼっており面目ございません。

標記の件ですが、演劇関連の研究者が集まる「演劇学会」の全国大会が6/21・22に柏市・日本橋学館大学で実施されるのですが、なんとそこに『宝塚プラス』専用の販売ブースを設けます!
(学会の案内はこちらhttp://www.nihonbashi.ac.jp/news_080519.pdf
を参照ください【PDFデータです】)

また販売ブースに著者が常駐し、ご案内しながら販売を行います。(一部時間帯においては監修・川崎賢子先生も!)

同学会に参加予定の方(ほとんど研究者の方になろうかとは思われますが、非学会員も参加可能ではあるようです)、ぜひお時間の空いた折にお立ち寄りいただきますと幸甚でございます。
同書は学術的視点からリアルファンの立ち位置でのスター批評や劇評、さらにはハロプロとの関連まで取り上げた雑文まで存在するという、宝塚をメインに考究しつつ、ファンの心情も理解できるという、かなり(手前味噌ですが)間口が広く濃ゆい書籍となっております。ぜひご一見いただけますと幸甚でございます。

…私は原則両日、休憩以外はブースにおりますので、リアルお知り合いの方はぜひご連絡を。

| | Comments (0) | TrackBack (0)